「賽の河原のたまご積み」(2017)
賽の河原では子供たちが石を積むという。
「一つ積んでは父のため、二つ積んでは母のため、三つ積んでは・・・」。
生と無生のへだたりを埋める行為が石積なのかもしれない。着る人のいなくなった衣服を漂白し丸く固めた。漂白によって過去の痕跡を消しつつもかすかなぬくもりを内包した原初の形、たまごにする。賽の河原の石積み気分で、たまごをどんどん積み広げる。
「一つ積んではいつか目を覚ます者のため、二つ積んではこれから来る季節のため、三つ積んでは・・・」。
横たわるたまご、転がるたまご、伸びるたまご。いつか孵化するときまで、鬼が来ませんように。
前回の個展では白い古着のシャツを用いて記憶を掬い上げ、在と不在の間に思いを馳せる発表をした吉本が、今回は「転生」をテーマに作品展開いたします。命の円環を綴った「洗う女考」を含む新作三点をはじめ、遺服を用いて再生の祈りを形にした「翅」(2015年制作)など、新たな想いのもと、衣服を素材・媒介として浮かび上がらせた生と再生の風景を二つのスペースを使ってご覧いただきます。
吉本直子 -転生 Reincarnation- フォトギャラリー
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為は法律で禁止されています。
開催期間
-
上位美術館・ギャラリー
画像
アクセス数
80
1
81