ヨーガン レール 文明の終わり Jurgen Lehl The End of Civilization

ARTLOGUE 編集部2017/10/01(日) - 23:23 に投稿

展覧会について

 

自然とともに暮らし、その尊さを伝えてきたデザイナー、ヨーガン レール(1944-2014)が「最期の仕事」に選んだのは、深刻な環境の問題に向かい、海岸に打ち寄せられた廃品のプラスティックから美しい照明を作り出すことでした。決して自然に還ることのないプラスティックが、再び実用の場を与えられ輝き出します。
また、展覧会ではこれらの照明と共に、ヨーガン レールが、その唯一無二の美しさに魅了され、長い時間をかけて拾い集めた、ババグーリ/瑪瑙石を展示いたします。この対象的な展示には、2014年に急逝したヨーガン レールの、自然への敬意をもって生きることの強いメッセージが込められています。

 

展覧会の特徴

 

2014年に急逝したヨーガン レールの「最後の仕事」

晩年移住した石垣島で、海岸がプラスティックのゴミで埋め尽くされているのを悲観したヨーガン レールは、このゴミで人の役に立つ美しいものを作ろうとランプを作り始めました。ヨーガン レールは、これを「最後の仕事」と位置づけ130以上のランプの制作を続けましたが、2014年の事故で急逝し、実質的に「最後の仕事」となりました。ヨーガンの軽やかで強いメッセージが輝く光とともに感じられることでしょう。

 

自然の美しさへの敬意:瑪瑙石「ババグーリ」

ババグーリとは、インドで採れる瑪瑙石のことで、ヨーガン レールは長年にわたってこの石を拾い集めてい
ました。自然の美しさに敬意を払い仕事をしてきたヨーガン レールの生き方を伝えるコレクションです。
ヨーガン レールは、「自然への尊敬の念を込めて、環境を汚さない、土に還る素材で、丁寧な仕事をされた服
や暮らしの道具など、自分にとって必要不可欠なものを作りたい」と手仕事を尊重したブランドを立ちあげ、
「ババグーリ」と名づけました。

 

一人ひとりの小さな力を大きな力へ

自然を愛し、その美しさを尊び、自然に近いところでものを生み出してきたヨーガン レールが、発想を180
度転換し、醜い人工的なゴミから、実用的な美しいものを作ろうと生み出したランプです。一人ひとりの小さ
な力が集まることで大きな力になると信じたヨーガン レールのメッセージは映像やテキスト、写真でも伝
えられます。子どもたちもおとなたちも、「文明の終わり」を招き寄せないための小さな一歩について考えて
もらいたいというヨーガン レールの思いを、この展覧会を通じて届けます。

 

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