佐藤知久

状況のアーキテクチャー展

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 18:19 に投稿

京都市立芸術大学は、1880年の開学より日本の芸術文化の火床として世界への発信基地であり続けてきました。そしていま、2023年に予定された郊外から都市部への移転を控え、改めて「芸術であること」「大学であること」「地域にあること」の意味を問い直しています。それはアートの視点から大学や地域を捉える作業であると同時に、大学や地域の視点から、独りよがりなアートを捉え返す作業でもあります。

このような問題意識から、モノゴトを多方向から捉え、その視差から世界を多元化する状況の発振に携わるアートマネジメント人材の育成を目指すプログラム「状況のアーキテクチャー」では、2016年から3年間、《物質:大学所有アーカイブの創造的な活用法を探る》《生命:ケア×アートで新たな生存の技法を探る》《社会:地域コミュニティのコアを担い得る芸術大学の活用方法を探る》という3つのテーマを掲げて活動を行ってきました。それは、芸術・大学・地域をつなぐ役割としてのアートの可能性を検討する多様性に満ちたプロジェクトを通して、身体や集団を通じて多様な知と技術を結びつけること、社会の生な現場に巻き込まれながら渦を作ることの二つを交差させ、クリティカルかつ創造的なビジョンを発振させる実験場を作り上げる試みでもあります。

下町芸術祭2 0 1 7 「境界の民」

ARTLOGUE 編集部2017/11/03(金) - 07:02 に投稿

C O N C E P T

 

下町芸術祭は、阪神淡路大震災から2 0 年を迎えた2 0 1 5 年に始動した芸術祭です。神戸の下町エリア( 長田区南部) の空き家や空き店舗、空き地や路地、劇場や旧小学校、古民家を再生したスペースなど様々な下町の魅力溢れる場所を舞台に、現代アート作品の展示やパフォーマンスを展開します。表現を通じて多種多様な価値観が出会い、そのことが祭りの後の日常の豊かさになることを願い開催します。

2 回目となる下町芸術祭2 0 1 7 では、「境界の民」をテーマに実施します。「境界」という言葉には、多様な民族性や習慣、価値観や思想など様々な意味を込めています。本芸術祭では、視点や価値観、時代により移ろい変わる< 境界> を表現によって顕在化するとともに、お互いの違いや類似する部分を理解し、日常の相見える関係性の中で尊重し合える、これからの社会のあり方を探っていきます。

 

本芸術祭は4 つのプログラムによって構成します。