現代美術

ARS ELECTRONICA in the KNOWLEDGE CAPITAL vol.09<br>「PLAYWARE アルゴリズムでつくる遊び展」

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 18:43 に投稿

オーストリア・リンツ市の世界的なクリエイティブ・文化機関「アルスエレクトロニカ」とのコラボレーション企画第9弾「PLAYWARE アルゴリズムでつくる遊び展」は、国内外の3 組のアーティストが参加し、グランフロント大阪北館ナレッジキャピタル「The Lab.みんなで世界一研究所」に作品展示を行います。

展示は、カナダ・モントリオールを拠点に活動し、遊び心のある遊具によって、都市を人々が参加できる場所に変えるアーティストグループ デイリー・トゥレジュール、独自のプログラミング/アルゴリズムを用いてインタラクティブな作品を制作し、コンピュータから生まれる新しい遊びを創り出す藤木 淳、そして、アルスエレクトロニカのR&D 部門であるアルスエレクトロニカ・フューチャーラボが参加します。

また、1月 16日(水)、17日(木)には、参加アーティストとアルスエレクトロニカメンバーによるトークセッションや、スペシャルプログラムを開催し、世界的なアーティストと直接交流できる機会を提供します。

状況のアーキテクチャー展

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 18:19 に投稿

京都市立芸術大学は、1880年の開学より日本の芸術文化の火床として世界への発信基地であり続けてきました。そしていま、2023年に予定された郊外から都市部への移転を控え、改めて「芸術であること」「大学であること」「地域にあること」の意味を問い直しています。それはアートの視点から大学や地域を捉える作業であると同時に、大学や地域の視点から、独りよがりなアートを捉え返す作業でもあります。

このような問題意識から、モノゴトを多方向から捉え、その視差から世界を多元化する状況の発振に携わるアートマネジメント人材の育成を目指すプログラム「状況のアーキテクチャー」では、2016年から3年間、《物質:大学所有アーカイブの創造的な活用法を探る》《生命:ケア×アートで新たな生存の技法を探る》《社会:地域コミュニティのコアを担い得る芸術大学の活用方法を探る》という3つのテーマを掲げて活動を行ってきました。それは、芸術・大学・地域をつなぐ役割としてのアートの可能性を検討する多様性に満ちたプロジェクトを通して、身体や集団を通じて多様な知と技術を結びつけること、社会の生な現場に巻き込まれながら渦を作ることの二つを交差させ、クリティカルかつ創造的なビジョンを発振させる実験場を作り上げる試みでもあります。

松井沙都子「モデルハウス」

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 17:59 に投稿

家は日常生活の背景であり、多くの人にとってほとんど意識に上ることがないものかもしれません。しかし家は、社会に生きる人の生活を映し出すものであり、それをつぶさに見つめることは、社会の一端に触れることに他なりません。私はこうした考えに基づき、作品制作を通じて、自身の暮らしてきた現代の日本の家について考えてきました。本展ではこの一環として、家をモチーフとしたインスタレーション作品を展開します。

本展を構成するのは、現代の日本の家に用いられるような木材を下地に、落ち着いた色味の壁紙と床材、そして温かい光を灯す照明器具を組み合わせた、立体的な造形物です。それはまるで現代の日本の家そのもののようですが、実在する家を再現したものではなく、住むための機能もありません。そこに現れるのは、今日の私たちにとってなじみ深い、穏やかで感じの良い住環境と、似て非なる空間です。本作を通じて、かつて抽象画が具象画からエッセンスを抽出したように、具体的な家からエッセンスを抽出し、抽象的な「家」を成立させることを試みます。

Partition——パーティション

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 17:39 に投稿

時間は私たちを逸脱します。楽譜を用いた作曲家の仕事は、分節で囲い込みながら時間を捉えるための絶望的な試みです。しかし実際には時間は彼らを越えていきます。それは、ランプの光がそのガラスの牢屋から逃げていくように、作曲家が仕立てようとする囲いを通り過ぎていくのです。

フランス語におけるパーティションという語は、通念的に楽譜を表しますが、しかしながら本来は分離や分割を意味します。音楽におけるパーティションはしたがって、分節化に関係するものです(ところで、音楽の「曲」はフランス語で音楽の「部分」——morceau de musiqueとも言います)。

この展覧会は、パーティションというアイディア(フランス語においてこの言葉がない方する二つの意味において)を、山角洋平、松延総司、バンジャマン・ラフォールとセバスチャン・マルティネス・バラ、そしてオドレー・タイヒマンの仕事の巡り合わせの中で展開します。

インポッシブル・アーキテクチャー ― もうひとつの建築史

ARTLOGUE 編集部2018/12/13(木) - 02:30 に投稿
建築の歴史を振り返ると、完成に至らなかった素晴らしい構想や、あえて提案に留めた刺激的なアイディアが数多く存在しています。 未来に向けて夢想した建築、技術的には可能であったにもかかわらず社会的な条件や制約によって実施できなかった建築、実現よりも既存の制度に対して批評精神を打ち出す点に主眼を置いた提案など、いわゆるアンビルト/未完の建築には、作者の夢や思考がより直接的に表現されているはずです。 この展覧会は、20世紀以降の国外、国内のアンビルトの建築に焦点をあて、それらを仮に「インポッシブル・アーキテクチャー」と称しています。 ここでの「インボッシブル」という言菓は、単に建築構想がラディカルで無理難題であるがゆえの「不可能」を意味しません。 言うまでもなく、不可能に眼を向ければ、同時に可能性の境界を問うことにも繋がります。 建築の不可能性に焦点をあてることによって、逆説的にも建築における極限の可能性や骰穣な潜在力が浮かび上がってくるそれこそが、この展覧会のねらいです。 約40人の建架家 ・ 美術家による「インポッシブル・アーキテクチャー」を、図面、模型、関連資料などを通して読み解きながら、未だ見ぬ新たな建築の姿を展望します。

増井淑乃「将に啼かんとするや」

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 18:19 に投稿

この度、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで、増井淑乃「将に啼かんとするや」が開催されます。 増井淑乃の作品は繊細で細密な水彩画です。紙に水彩で下地を塗り、時間をおいてから何度も重ねて描かれる画面には、滲みによってできる偶然の効果と意図的で入念な描線によって独特のテクスチュアがつくりだされます。増井が身近な存在として観察してきた猫や馬、鳥などは、作品のなかで背景と重なり、まるで神話に登場する動物のように描かれます。本展では新たに、色鉛筆をベースにコラージュを施した作品や、馬をシンプルに配置して描いた作品を制作。展覧会タイトルの「将に啼かんとするや」のように、増井の中で何かが産声をあげようとしているのかもしれません。小山登美夫ギャラリーでは2年ぶりとなる本展では、常に自分自身と対話や格闘をしながら制作する増井の旧作から新作までが展示されます。 
 

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冨井大裕 「線を借りる」

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 16:52 に投稿

冨井大裕は彫刻の新たな可能性を探り、様々な彫刻の形を提示してきました。作品を制作するその態度や行為、体験などそのものが作品として成立するかどうか、芸術作品となるにはどのような要素が不可欠なのかを模索してきました。冨井は付箋や色鉛筆、ハンマーやゴミ箱等、しばしば身の回りにある既製品を用いて作品を作りますが、従来あったその物特有の用途や意味を取り払うことで、その物の物質としての新たな魅力や存在に焦点を当て、全く違うものへと昇華させます。またある時には指示書のみを展示し、観客自身がその指示に従い彫刻作品となるプロセスを踏む作品など、従来の“もの”としての彫刻とはかけ離れた、そのものの裏にある見えない“こと”にも焦点を当てた作品制作をしています。

今回の展覧会ではタイトル通り、他人の作品から「線」を借りた作品を発表します。ファッションブランド「tac:tac」のデザイナー、島瀬敬章氏のパターンの線を元に作られた彫刻作品、そのパターンから起こされた服、その服を試着する観客、それを写す鏡と映り込む背景、その全てのもの・こと・場・時など彫刻としての可能性を顕在化する展示となります。

チェコの現代糸あやつり人形とアート・トイ

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
チェコと人形との関係は深いものがあり、例えば「人形劇は文化の命綱」とまでいわれるほどです。 チェコは、16世紀から第一次世界大戦までの間、オーストリアのハプスブルク家に支配された歴史があり、プラハなどの都市部では、ゲルマン化のためにチェコ語からドイツ語を使うように強制されました。しかし、人形劇は民衆の為の娯楽、風俗的なものであったために、危険視されなかったことがチェコ語の禁止を免れ、チェコ語を守るために人形劇が意欲的に上演されたと伝えられています。 つまり、チェコの人々にとって人形劇やその人形は単なる人形玩具というだけではなく、チェコの伝統文化そのものといえるのです。 チェコには、世界初の人形を専門に学べる国立大学機関があり、各都市には人形劇専門の劇場があります。現在のチェコにおいても、祭礼や地域のイベントでは盛んに人形劇が上演され、人形づくりのワークショップもたびたび開かれるなど、伝統的な人形劇を国の文化として継承しています。さらに、人形劇とは別にアートとしての人形を使った表現もチェコならではの展開として見逃せません。 本展では、そうしたチェコの現在の人形文化の一部を、世界の玩具や遊具の研究者である春日明夫氏のコレクションから糸あやつり人形やアート・トイなどの作品を中心に4名の作家を取り上げて紹介するものです。 チェコ在住の佐久間奏多は、魁力的な糸あやつり人形やハンドパペットの制作など人形作家の分野の世界で活躍し、日本を中心に世界中にコレクターが存在します。同じくチェコ在住の林由未は、人形劇の舞台美術家として活動するかたわら、人形劇用の人形も自身で制作し、チェコの国内外で注目されています。また、どこか暖かみのある造形を感じさせるチェコ人のバーラ・フベナーは、糸あやつり人形をはじめ、舞台や人形を中心とした造形作家として活躍し、チェコ人のミロスラフ・トレイトナルはそれらの表現に加え、色彩も豊かでユ二ークな形を持つアート・トイと呼ばれる作品を手掛けている点で特に異彩を放っているといえるでしょう。 展示では、それら4人の作家を中心にコレクション以外の参考作品も一部交えながら、約100点以上の作品で紹介します。本展を通じて、現代チェコの人形文化の一端をお楽しみいただければ幸いです。

時の花 - イイノナホ展 -

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
ポーラミュージアムアネックスにて、国内外の住宅や店舗、美術館向けにシャンデリアなどを手がけているガラス作家イイノナホ氏の展覧会「時の花-イイノナホ展-」が2019年1月19日(土)から2月17日(日)まで開催されます。

南桂子展 コト、コト。コトリ。

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
コト、コト。コトリ、コトリ。 耳を傾けると、小さく物音の聞こえてきそうな風景。 生い茂る草花の中から、森の小道から、木々の隙間から。 微かな音のつながりが、作品世界の物語を絶やすことなく紡ぎだすようです。 南桂子(1911-2004)の作品は、無数の繊細な線を銅版に彫ることで作り上げられています。 富山県に生まれた南は、高等女学校時代から絵画や童話の制作に励み、戦後、浜口陽三との出会いを機に銅版画の道へと歩を進めました。 鳥や少女を主人公にしたその作品はユニセフの発行物に採用されるなど、世界的に高く評価されています。 本展では、南桂子の銅版画約50点と、浜口陽三の銅版画約10点を展示します。 作品世界の中へ、身を乗り出して覗いてみれば、その住人たちの息遣いが感じられるかもしれません。