デュフィ

リトグラフ 石のまわりで

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 06:07 に投稿
ラウル・デュフィ《電気の精》より 1953年

 

リトグラフは版面を彫ることなく描画を転写します。18世紀末リトグラフの発明によりそれまでの凹版や凸版に新しい版種、平版が加わりました。石版石を素材とするこの新しい印刷方法は、19世紀から20世紀にかけて瞬く間に普及し、その間に重量があり持ち運びが難しい石版の弱点を解消するジンク板やアルミニウム板が開発されました。描画の際の技術的な制約が少ないことから、様々なジャンルの作家がリトグラフに関心を持ち、優れた作品を残しています。

表現者の探究心と技術の進歩はより繊細で微妙な表現を可能にし、現代においてもリトグラフの人気は衰えることはありません。リトグラフの始まりである石版石の「石」の魅力も常に表現者の心をとらえ、現代の版芸術においても「石」による創造の世界は様々な広がりを見せています。

本展では印刷技術史における近代印刷術としてのリトグラフと多様な表現を生み出す美術表現としてのリトグラフを紹介します。石版印刷術の好事例や現代作家の優れた石版刷作品をお楽しみください。発明から200年以上を経たリトグラフの創り出す美しさとその魅力をあらためてお伝えしたいと思います。

 

絵画の絆「フランスと日本」展

ARTLOGUE 編集部2018/05/30(水) - 18:50 に投稿
ポール・シニャック《ポルトリュー、グールヴロ》1888年 油彩・カンヴァス

 

フランスと日本の近代美術の巨匠55人の名作72点が青森に大集結!

 

東奥日報創刊130周年と青森放送創立65周年を記念し、ひろしま美術館の収蔵品(コレクション)の中から印象派を中心とするフランスの近代美術、日本の近代洋画と日本画の優れた作品を紹介する展覧会を行います。
ひろしま美術館は平和への願いを込め、「愛とやすらぎのために」をテーマに、1978(昭和53)年に開館した美術館です。そのコレクションはフランス近代美術と日本近代洋画、日本画の優れた作品で構成され、国内外で高く評価されています。本展は、そうした「世界の至宝」と呼び得るコレクションの中からモネ、ルノワール、ドガなどの印象派やエコール・ド・パリの作品群、そしてフランス近代絵画の影響のもと花開いた黒田清輝以降の日本近代洋画、横山大観、上村松園らの日本画作品を、「農村」「人体」「風景」「楽園」などをキーワードに選び紹介するものです。本展は「名画」「傑作」と呼ばれる芸術作品の魅力を余すところなく伝え、それらが時代や場所を越えて輝き続けるものであることを知る機会となることでしょう。

 

ユニマットコレクション フランス近代絵画と珠玉のラリック展

ARTLOGUE 編集部2018/04/28(土) - 01:58 に投稿
フランソワ・ブーシェ《勝利のクピド》

 

ユニマットコレクションは、オフィスコーヒーや介護、リゾートなどの事業を幅広く展開しているユニマットグループの創業者・髙橋洋二氏が収集した西洋美術の一大コレクションです。本展では、世界的な巨匠たちの作品を多数所蔵するコレクションの中から、主に19世紀から20世紀にかけてのフランス美術を中心に約100点をご紹介します。

芸術の本場として名高いフランスの美術の歴史において、19世紀から20世紀は歴史に名を残す優れた美術家が数多く登場した時代でした。

貴族好みの神話世界を捨て、自然の中に生きる農民たちの姿を描こうとしたミレーやコロー、明るい色彩の肖像画を通じて、あふれるような生命の輝きを表現したルノワール、現実を超えた大胆な色づかいによって「色彩の魔術師」と称えられたデュフィ、貧しい芸術家たちがひしめくパリのモンパルナスで活躍し、伝説となったモディリアーニや藤田嗣治、装飾性あふれるガラス工芸を発表して一世を風靡したルネ・ラリックなど、多くの美術家たちがそれぞれの時代で、自らが理想とする美を創り出し、感動を与えてきました。