大阪市
特別展「高麗青磁―ヒスイのきらめき」
本展では、東洋陶磁美術館が所蔵する高麗青磁を中心に国内所蔵の代表作も加えた約250件の作品により、高麗青磁の新たな魅力をご紹介します。
高麗青磁は高麗王朝(918-1392)の滅亡とともに姿を消し、人々にも忘れさられた、いわば「幻のやきもの」でした。高麗王朝の滅亡から約500年の時を経た19世紀末から20世紀初頭にかけて、高麗の王陵をはじめとする墳墓や遺跡などが掘り起こされ、高麗青磁は再び世に現れました。翡翠(ヒスイ)のきらめきにも似た美しい釉色(ゆうしょく)の高麗青磁は、瞬く間に当時の人々を魅了し、その再現品もつくられるなど、一躍脚光を浴びました。
高麗王朝では仏教が国教となりましたが、同時に道教も盛んでした。一方、中国から喫茶や飲酒文化が伝えられ王室や貴族、寺院で大いに流行します。こうして祈りの場や儀礼、喫茶具や飲酒具などに用いられるものとして高麗青磁が誕生し、独自の発展を遂げました。唐、五代の越窯青磁や北宋の汝窯青磁に類するとされる透明感ある艶やかな「翡色(ひしょく)」の釉色、そしてとりわけ精緻な象嵌技法を特徴とする高麗青磁の美しさは、中国においても高い評価を受け、「天下第一」とも称されました。こうした高麗青磁には人々の祈りや思いが込められ、高麗王朝の文化の精髄が見事に具現化されています。
堂島リバーフォーラム開館10周年特別企画 千住 博 & チームラボ コラボレーション展「水」 千住博氏と猪子寿之氏のメッセージビデオあり
千住博メッセージ
チームラボ 猪子寿之メッセージ
プーシキン美術館展──旅するフランス風景画
2005年 マティス《金魚》、2013年 ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》、
そして、2018年 春、モネ《草上の昼食》。
モスクワのプーシキン美術館は、珠玉のフランス絵画コレクションで知られます。なかでも、19世紀後半から20世紀初頭にかけて収集された近代絵画は、世界的に見ても極めて質の高い名品が揃っています。2005年、2013年に開催された大規模な「プーシキン美術館展」に続く本展では、17世紀から20 世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。
初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑がまぶしい季節、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。