サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法
陽気でユーモア溢れるポスターを制作、
レイモン・サヴィニャックの展覧会が開催
フランスを代表するポスター作家であるレイモン・サヴィニャック(1907-2002)。サーカスや見世物のアートに魅せられ確立したサヴィニャックのスタイルは、第二次世界大戦後、それまでのフランスにおけるポスターの伝統であった装飾的な様式を一新します。
サヴィニャックの編み出したポスター様式はユーモアとエスプリのアート、瞬時に人の心を射抜くアートでした。インパクトを与える視覚的操作と明快な造形という確固たる論理を持つ彼のデザインをベースに、このうえなく陽気にシンプルに、ポスターのメッセージを道行く人々へと届けたのです。知性豊かなクリエイターであったサヴィニャックの描くデッサンは常に、「どのようにメッセージを届けるか」という問いに対する、視覚的な解答でした。ビック、チンザノ、シトロエン、ダンロップ、ミシュラン、モンサヴォン、ティファール、トレカ、パリ市ほか、フランスの錚々たる広告主のビジュアル広告は、レイモン・サヴィニャックのポスターなしには語ることができないでしょう。