オノレ・ドーミエ

コレクション2 しかめっつら ドーミエ流パリっ子図鑑

ARTLOGUE 編集部2018/02/03(土) - 16:12 に投稿

1830年代後半からドーミエはいち早くパリの都市生活に取材し、人々の暮らしぶりを活写しました。“現代性(モデルニテ)”を帯びた一連の風俗諷刺画は、バルザックやボードレールといった文学者から称賛されたばかりでなく、リアリスム絵画の嚆矢となりドガやロートレック等後進の画家にも影響を与えました。
真実を捉える眼差しは、日々のニュースだけでなく人物描写にも遺憾なく発揮されます。当時文学の世界で流行した「生理学もの」にならい制作された連作《観相学画廊》(1836-37)や《パリっ子のタイプ》(1839-1843)では、パリっ子の様相や特徴をコード化するにとどまらず、動きや視線を交えて感情豊かに表現しています。そこにはよそ行きの顔ではなく、浮かれたり、眉をひそめたり、驚いては顔をしかめる素の表情が刻まれ、人間の本質そのものが照らし出されています。

─ ドーミエの笑いは率直にして闊達、彼の情け深さの徴(しるし)さながら輝き渡る─

ボードレールが讃えたこの言葉のとおり、彼が描く「しかめっつら」は、逞しい生命力に満ちあふれています。本展ではこうした人物表現に冴えを見せる風俗諷刺約110点を4つの連作を通して紹介します。醜さをも個性に変えてしまうドーミエの生き生きとした表現をご堪能ください。

 

ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち

ARTLOGUE 編集部2018/02/03(土) - 01:52 に投稿
レギーナ・レラング《バルテ、パリ》1955年 Gift of Leon and Michaela Constantiner 2010.429
Münchner Stadtmuseum, Sammlung Fotografie, Archiv Relang

 

パリという魅力あふれる都市に生きる女性、パリジェンヌ。サロンを仕切る知的な女主人、子を慈しむ美しい母、流行を生み出すファッショニスタ、画家のミューズ、そして自ら道を切り開き才能を開花させた画家や女優―その多様な生き方は、今なお私たちを惹きつけてやみません。

本展覧会では、マネの《街の歌い手》をはじめ、ドガやルノワールなど印象派の巨匠が描いた女性の肖像、カサットやモリゾなど女性芸術家による傑作、カルダンやバレンシアガの斬新なドレスからブリジット・バルドーほか映画や舞台で活躍した女優のポートレートまで、ボストン美術館所蔵の多彩な作品約120点を通して、18世紀から20世紀のパリを体現する女性たちの姿に迫ります。

(『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』ウェブサイトより)