千葉市美術館にて、つくりかけラボ04「飯川雄大|デコレータークラブ —0人もしくは1人以上の観客に向けて」が開催中です(会期:2021年7月14日(水)~10月3日(日))。
「つくりかけラボ」とは、「五感でたのしむ」「素材にふれる」「コミュニケーションがはじまる」という3つのテーマのいずれかに沿った公開制作、ワークショップを通して空間を作り上げていく、参加・体験型のアーティストプロジェクト。その第4回目として、兵庫県を活動拠点とする美術家の飯川雄大さんを迎えます。
タイトルにある「デコレータークラブ」とは海藻や小石を身につけて姿を変えるカニのこと。これまで、飯川さんはこのカニを発想の原点に、鑑賞者の気づきや反応を誘うさまざまなプロジェクトを行ってきました。
「デコレータークラブ」シリーズは2007年から始まりました。飾り付けをするクラブ活動みたいですが、世界中の海に生息し擬態する性質を持った蟹の名前(Decorator Crab)に由来しています。
昔、この蟹を紹介するドキュメンタリー番組を見たのですが、ダイバーが海の中で何だかわからないモノ(実は蟹)を見つけたときの驚きが全く伝わってこなくて。たくさんの言葉や映像を使っても、どうしても伝えることができない部分があるということが面白かったんです。
蟹は天敵から身を守るため、誰にも見つからないように行動しているだけ。でも、人は勝手に特別な状況だと感じたり、別の価値をつけたり、一方通行のコミュニケーションから新しい要素を生み出しています。「デコレータークラブー0人もしくは1人以上の観客に向けて」では、蟹とその周辺に起こったズレを、美術館と観客の間にも作ることはできないだろうかと考えました。蟹のふりをして。飯川雄大
アーティストの創造とそこを訪れる観客の存在で絶えず空間が変化し続け、いわばクリエイティブな「つくりかけ」状態が体感出来る「つくりかけラボ」。サブタイトルに「0人もしくは1人以上の観客に向けて」とありますが、今回は、いったいどんな作品が姿をあらわすのでしょうか。いつもとはちょっとようすのちがう千葉市美術館をお楽しみください。
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開催概要
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■つくりかけラボ04「飯川雄大|デコレータークラブ —0人もしくは1人以上の観客に向けて」
会 期:2021年7月14日(水)~10月3日(日)
会 場:千葉市美術館 4階子どもアトリエ
時 間:10:00~18:00(金・土曜日は、20:00まで)
*入場受付は閉館の30分前まで
休 館:8月2日(月)、9月6日(月)
料 金:無料