鮮やかな緑の茶畑が段々と続く風景で知られ、「茶源郷」と親しまれている京都府和束町を舞台に、10月30日(金)から展覧会「大京都2020 in 和束 未開へのわだち」が始まります。
未開へのわだち
Ruts to the new uncivilization
自然-人工物の境界は、様々な力学によってゆらいでいる。 未開墾地を開拓する者、山中に修行場をおく山岳信仰、そして自然災害。 既に開拓された場所を往来する私たちの行動は、境界を越境することのない社会循環をトレースし続けている。聖武天皇時代に開拓された恭仁京東北道以前の深山幽邃な気配と共に、境界の残像をのこす和束町。 アーティストは自生の草や茶を手がかりに、ときに身体感覚を風景や気配にフローさせながら、 この土地にある「人の営み」「自然に存在する他の種」「認識不可能な不可視な存在」までも拙くも引き寄せ、 境界を中和し未開へのわだちを描きはじめる。
自然と人工物がハイブリットし未知の領域を限りなく開拓しつづける社会の流れに、私たちはいる。 この流れの中、心身ともに粗野な感情をかきたてる境界や未開の地はどこにあるのだろうか? この疑問が既成概念や価値基準を融解し、私たちの内なる野生を明滅させるきっかけとなるかもしれない。
Yukawa-Nakayasu
京都府ではアーティスト・イン・レジデンス事業「京都:Re-Search」を実施し、地域が本来持ち得ているポテンシャルやその魅力をアートの視点から引き出そうと取り組んでいます。「京都:Re-Search」で地域に滞在ししたアーティストは、リサーチを経てアートプロジェクトや作品プランを構想した後、次年度、滞在制作してそれらの実現を目指します。
その結実として催されるのが「大京都」です。昨年度は和束町で「京都:Re-Search 2019 in 和束」が行われ、今年度「大京都 2020 in 和束」が開催されます。
「京都:Re-Search 2019 in 和束」への参加アーティストである渋田 薫(しぶたかおる)、嶋田晃士(しまだこうし)、牧嶋 平(まきしまおさむ)、リヴァ・クリストフに加え、昨年度講師を務め、参加アーティストと共に和束をリサーチしたYukawa-Nakayasuがゲストアーティストとして参加し、約2ヶ月におよぶ滞在制作と、そのプロセスを和束町内各所で公開します。
「大京都」で発表されるのは、アーテイストが新たな視点で創り出した滞在地域に関する「アートドキュメント(=記録)」作品。
アートを通して新たな和束町の姿が浮かび上がります。
また、京丹後では「大京都芸術祭 2020 in 京丹後 ~風景泥棒~」が開催中です。こちらの展覧会は、「京都:Re-Search 2018 in 京丹後」や「大京都 2019 in 京丹後 ~風景泥棒~」の成果を生かし、地域に密着したアーティスト・イン・レジデンス事業を伴う美術展となります。
秋のお出かけに、和束町、京丹後に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
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開催概要
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■大京都2020 in 和束 未開へのわだち
会 期:10月30日(金)〜11月1日(日)、11月6日(金)〜8日(日)、11月13日(金)〜15日(日)
会 場:(株)すぎもと倉庫・空き店舗(和束町中市場4-1)、手づくり工房茶房桶力(和束町中式部)、京都おぶぶ茶苑(和束町園大塚2)、FUKUTYAN_HOUSE(和束町釜塚前田47)、創造工房自由庵(和束町門前谷15)
時 間:10:00~17:00
料 金:無料
◯関連イベント ※詳細はウェブサイト(http://kyoto-research.com)等で随時発表します。
・和束町内での展示ツアー
ゲストに鷲田めるろ氏(十和田市現代美術館館長)を迎え、会場を回るツアーを開催
日 時:11 月8日(日)13:00~
・福岡久園×渋田薫
会期中、7 種の荒茶のイメージに合わせた絵画を福岡久園ホームページ等で展示
https://fukuokakyuen.official.ec/
■大京都 2019 in 京丹後 ~風景泥棒~
会 期:10月23日(金)〜25日(日)、10月30日(金)〜11月3日(火・祝)、 11月6日(金)〜8日(日)、11月13日(金)〜15日(日)
会 場:吉村機業(株)旧織物工場、浅茂川区民会館、にしがき網野店二階、網野町ボーリング場跡地、ガラシャ荘、三津八幡神社芝居舞台
時 間:10:00~17:00
*ガラシャ荘は16:00まで、浅茂川区民会館は10月31は閉場
料 金:無料
※アーティストやその他詳細、最新情報はこちらからご確認いただけます。