木場公園の桜が咲き始めた3月29日、2016年5月30日から大規模改修工事のために休館していた東京都現代美術館リニューアルオープン。
その全てを紹介します!
◯東京都現代美術館 リニューアル・オープン記念展
リニューアル・オープンを記念して、東京都現代美術館全館、企画展示室とコレクション展示室にて、大規模、大ボリュームな2つのコレクション展覧会を開催。
・企画展
「百年の編み手たち -流動する日本の近現代美術-」
1910年代から現在までの百年にわたる日本の美術について、編集的な視点で新旧の表現を捉えて独自の創作を展開した編み手である作家たちの実践として、東京都現代美術館のコレクションを核に再考するものです。
会 期:2019年3月29日(金)~6月16日(日)
https://www.artlogue.org/node/5440
・コレクション展
「MOTコレクション ただいま/はじめまして」
東京都現代美術館では、約5200点の作品を収蔵しています。この3年弱に及ぶ休館中に、約300点の作品が新たに収蔵されました。そこで、リニューアル・オープンを記念した今年度のコレクション展では、新収蔵作品を中心に紹介します。
会 期:2019年3月29日(金)~6月16日(日)
https://www.artlogue.org/node/5441
◯リニューアルの概要
■施設設備の改修
約3年にわたる大規模改修により、空調や各設備、内装の刷新に加え、天井も耐震性を向上させ、照明もLED化しました。
利用者サービスの向上を目的に、エレベーター増設、多目的トイレの拡充といったバリアフリーの向上も実施。
■サインを一新
サイン什器設計は建築家 長坂常(スキーマ建築計画)が担当し、サイン計画はアートディレクター 色部義昭(株式会社日本デザインセンター色部デザイン研究所)が担当しています。
柳澤孝彦(TAK)設計による石とコンクリートで造られた重厚な東京都現代美術館の建物に対して、まるで仮設かを思わせるようなカジュアルなデザインにすることにより、多くの人に気軽に接して欲しいという東京都現代美術館のあり方を提示しています。
またこのサイン什器はフォークリフトで運べるように下に隙間があるので、レイアウト変更も容易になっています。
■美術図書室
資料ソース約27万冊、美術に関するライブラリーとしては国内最大級の美術図書室は、什器のデザインやレイアウトを一新し新たな空間としてリニューアルしました。
映像資料が閲覧できる「メディアブース」の他、子どもも楽しめる美術書を集めたコーナー「こどもとしょしつ」を新設。
■ミュージアムショップ「NADiff contemporary」
現代アート関連の書籍をはじめ、多様なアーティストやクリエイターによる魅力ある商品を取り揃えています。「ここでしか出会えないモノ・コト」を発見、体験するミュージアムショップです。展覧会図録や東京都現代美術館オリジナルグッズなども販売しています。
営業時間:10:00-18:00
※3月29日(金)は 20:00 まで営業
定休日:美術館休館日
■レストラン「100本のスプーン」
スープストックを手がけるスマイルズのレストラン「100本のスプーン」が新たに開店。
「100本のスプーン」では大人と同じものを食べたい子供の気持ちを考えて、ほぼすべてのフードメニューの内容はそのままにハーフサイズを用意しています。
また、赤ちゃん向けにも初期・中期・後期の離乳食も用意しており家族でも楽しめます。
店内には誰もが作家になれるようにシールを貼り付けてみんなで作り上げるみんなで作る彫刻が置いてある他、壁や天井に飾られた額に入った鏡の中を覗くと、食事をしている自分や家族がアートになる趣向が凝らされています。料理が届くまで子供に楽しんでもらえるようにメニューの表紙が塗り絵になっています。
営業時間:11:00-18:00(ラストオーダー 17:00)
※3月29日(金)は 20:00 まで営業(ラストオーダー 19:00)
定休日:美術館休館日
https://100spoons.com/mot
■カフェ&ラウンジ「二階のサンドイッチ」
こちらもスマイルズが手掛けるカフェです。「サンドイッチは額縁のような」をコンセプトにお気に入りの具材や料理を挟み込むことができます。
単なる具材ではなくシェフが考案した料理たちをパンに挟んでいます。また駅から東京都現代美術館まで来る間に3件もの豆腐屋さんがあることから、豆腐のサンドイッチメニューも用意されています。
営業時間:10:00-18:00 (ラストオーダー 17:30)
※3月29日(金)は 20:00 まで営業(ラストオーダー 19:30)
定休日:美術館休館日
■木場公園側のアプローチ「パークサイドエントランス」
新たに木場公園に面した南側から美術館へ出入りできる「パークサイドエントランス」が新設されました。「パークサイドエントランス」から入ったすぐところには、アンソニー・カロの《タワー・オブ・ディスカバリー》やマルタ・パンの《裂けた球体》などパブリック・アートもあります。また、ベンチなども置かれているので気軽に美術館に入っていただけるようになっています。
■中庭
「パークサイドエントランス」から「水と石のプロムナード」を経て中庭に抜けていくことができます。こちらにもサイン什器と同じ素材で作られたベンチなどが置かれているので、ゆっくりと美術展の余韻にひたるもよし、ランチを食べるのもよし、自由に楽しめる空間になっています。
■鈴木昭男《道草のすすめ―「点 音(おとだて)」and “no zo mi”》
サウンドアーティストのパイオニアと知られる鈴木昭男の代表的なシリーズで、世界30都市以上で設置されてきた、 鈴木昭男《道草のすすめ―「点音(おとだて)」and “no zo mi”》が、新たに東京都現代美術館の周囲12箇所に設置されました。
《道草のすすめ―「点音(おとだて)」and “no zo mi”》は、耳と足を合わせたマークをポイントとして公共空間に設置し、人々の意識「道草=気づき」の感覚をもたらすものです。
今回「点 音(おとだて)」と共に設置された “no zo mi” は、階段状に作られた作品です。エコ−ポイントを辿り、その上で耳をすませてみてはいかがでしょうか。
■リニューアル・オープン記念ロゴ
仲條正義氏デザインの東京都現代美術館のロゴには、略称MOT(モット)という言葉からイメージされる積極性や上昇性(「もっともっと・・」)を、Tの文字を+(プラス)にすることで表しています。さらにTは「東京」の頭文字にも由来しています。
今回、リニューアルに際して、仲條正義氏が、既存のロゴに美術館の活動にさらなる「+」(プラス)追加し、1年間限定で使用するリニューアル・オープン記念ロゴをデザイン。
■MOT パスポート2019 東京都現代美術館年間パスポート2019
東京都現代美術館では美術館をもっと楽しんでもらうために年間パスポートも用意してます。特典は
1,期間中コレクション展が何回でも無料(同伴者1名まで無料)
2,企画展は4回まで無料、5回目以降は50%割引(同伴者1名まで20%オフ)
3,カフェ&ラウンジ、レストラン、ミュージアムショップでの割引
4,公益財団法人東京都歴史文化財団が管理運営する美術館、博物館などでの割引
有効期間は2009年3月29日金曜日~2020年3月31日火曜日まで
価格は4000円です。
1階チケットカウンターにて販売しています 。
装いも新たにリニューアルオープンした東京都現代美術館は、これまで以上に親しみやすい美術館になっています。
ゆっくり観れば丸一日楽しめるので、一人で静かに美術鑑賞をするのもいいですし、家族や友達、恋人と一緒にアートフルな特別な日を楽しんでみてはいかがでしょうか。