2018年11月20日から2019年1月19日まで、岡崎和郎「御物補遺」展が開催中です。
Galerie Ashiya Schuleでは、2015、2016に続いて三度目の個展となる本展は、半世紀以上に及ぶ活動の作品に一貫して展開される「御物補遺」思想に再び焦点を合わせた展覧会となります。
岡崎和郎は、1950年代なかばにオブジェ制作をはじめてからほぼ60年間、独自の造形思想のもとに多種多様なオブジェを制作しています。「内部」を制作の基本とした初期のオブジェは、外と内、表と裏、虚と実をめぐる問いかけを示していましたが、次いで手の痕跡や人間の痕跡といった人間全般へと対象が広がり、その後一貫して「御物補遺」(Object Supplements)と呼ばれる造形思想のもとに制作を続けています。
岡崎の作品は、既知の世界から未知の世界へと想像力を馳せさせるのでなく、裏返しの世界という未知の世界から、この日常的な世界を覗かせるという構造をもっている。これまた、裏返しの想像力ともいうべき特異なものなのである。
—裏返しの想像力 中原祐介 1966 岡崎和郎東京画廊
近年は、自然に対する言及や問いかけが作品化し、樹木や石、溶岩などの自然物をそのまま引用した作品が現れ、それらのオブジェが重層的に配置されて立ち上がる空間は「補遺の庭」と呼ばれます。
西洋と東洋美術の位相についての問いかけ、虚と実・内と外・表と裏の反転、さらに極薄(アンフラマンス)の概念への関連へと、私たちは、岡崎作品の持つ刺激のもとに新たな感受性を開かされ、さまざまな思考を呼び起こされます。作品と観者との対話が現代美術の魅力とすれば、岡崎和郎オブジェの問いかけ自体が、現代を生きる私たちの根源的なあり方を考えるきっかけとなるに違いありません。
なお関連展覧会として、DIC川村記念美術館では「言語と美術―平出隆と美術家たち」展が開催されています。ジョセフ・コーネル、ドナルド・エヴァンス、加納光於、河原温、中西夏之、奈良原一高、岡崎和郎、滝口修造、若林奮など、平出隆が交流した美術家たちの作品が紹介されています。詳細はこちらからご確認ください。
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開催概要
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会 期:2018年11月20日(火)~2019年1月19日(土)
会 場:ギャラリーあしやシューレ
時 間:11:00~17:00
休 廊:日・月・祝・11/24(土)・年末年始(12/23~1/6)