マラインはオランダ・アムステルダム在住の作家で、ドローイング、ペインティング、コラージュ、映像作品など様々な方法で作品を発表しています。過去にはアムステルダム、ベルリン、ハーレム、ロンドン、チューリッヒなど様々な都市での展示経験があり、2013年にはダッチ・ロイヤル・アワード、2016年にはABN AMRO アートアワードを受賞するなど注目を集めているアーティストです。
今回の展示ではピカソが描いた彼のスタジオ風景に対する、オマージュのドローイング作品とその作品集を発表します。
ピカソは1955年に自身のスタジオを、カンヌにある20世紀前半に建てられたヴィラへと移します。そのスタジオにはアールヌーヴォー様式の大きい窓があり、庭のサボテンやユーカリ、ヤシの木を望むことができたと言います。ピカソはその窓からの景色をインテリア・ランドスケープと呼び、作品に多数残しています。
マラインはピカソの後期の作品集を多く収集しており、そこで目にしたのがこのインテリアランドスケープでした。彼は反復と変化を通して’’描く’’という行為自体に着目しているアーティストであるので、画集のなかで一枚気になる絵に出会うと、それを何枚も書き続けます。
反復と少しずつの変化が生じた作品が一堂に並ぶと、一つのかたまりのように見えてくるのです。描くということを運動としてとらえているマラインの作品は、ギャラリーの壁に掛けられても生き生きとその空間に変化をもたらします。
また、展示と同タイトルの書籍は、作品が描かれたポストカードをリングバインドしたもので、このデザインは彼が以前友人からもらった一枚のポストカードがインスピレーションとなっています。そのポストカードがきっかけで一緒に海岸まで散歩に出かけた女性が、今のパートナーであり、そのポストカードも本の中から切り取られたものだったと言います。
今回の展示は6月から9月にかけてにオランダのMarresで行われたものと同じシリーズですが展示空間と作品、またそこに訪れる人によってお互いを変化させると考えているマラインは、東京という町での展示によって引き起こされる相互作用をとても楽しみにしています。
【Marijn van Kreij / マライン・ヴァン・クライ 】
オランダ生まれ、アーティスト。
ドローイング、ペインティング、コラージュ、オブジェクト、スライドプロジェクション、音と映像作品など様々なジャンルの作品を組み合わせて展示や本で発表している。また多くの場合、他のアーティストやデザイナー、作家やミュージシャンと共に活動する。過去にはアムステルダム、ベルリン、ハーレム、ロンドン、チューリッヒなど様々な都市での個展経験があり、2013年にはダッチ・ロイヤル・アワード、2016年にはABN AMRO アートアワードを受賞するなど注目を集めているアーティストである。
http://www.marijnvankreij.nl
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開催概要
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会 場:POST
会 期: 2018年10月26日(金)~11月18日(日)
時 間: 12:00~20:00
休 廊:月曜日