©Ryoji Ikeda Studio
池田亮司の「音」、「光」、「データ」による最新のインスタレーション
パリと京都を拠点に活動する作曲家・アーティスト、池田亮司(1966-)の個展を開催します。池田は90年代よりダムタイプでの活動を始め、同時に独自の革新的なコンピューターコード、科学、テクノロジーを駆使したパフォーマンスやオーディオビジュアル・インスタレーションを制作してきました。世界各地の美術館、フェスティバルなどでも活躍する池田は、日本の電子音楽を代表する人物であり、音響、イメージ、空間、知覚現象、数学的概念等を用いた、体感型の作品を数多く発表しています。
本展覧会では、ポンピドゥ・センターのために新作のインスタレーション2点が展示されます。一つの作品は真っ暗な空間、もう一つの作品は明るい展示空間で、2つは対照的で、補完しあうようなインスタレーションとなります。前者は、池田が「メタ・コンポジション」と呼ぶ、視覚、音響のデータ、数学的概念を用いた眩暈を起こすようなインスタレーション、後者は、巨大なスピーカーを使ったオーディオビジュアル・インスタレーションです。鑑賞者は、このパフォーマンス的な作品を聞き、またその中を自由に歩き回ることができます。
展示空間は、闇に浸された部屋 code-verse と白に満ちた部屋 A [continuum] に分割され、両者は、対立しつつ、補い合う二つの世界をなします。前者のインスタレーションでは、作家が「メタ・コンポジション」と呼ぶ試みが展開され、数理法則に則った抽象的な映像 ・音響データのめくるめく攪拌が繰り広げられます。後者は、巨大スピーカー群によって構成されるサウンド・インスタレーションです。ここでは、展示室内を自由に歩き回ることによって、各々の方法で作品の音楽経験を得て、いわば耳で聴くパフォーマンスへと誘われます。圧倒的な体験で私たちの知覚や認識を揺さぶる、この夏パリで必見の展覧会です。
■作家紹介 池田亮司
1966 年岐阜生まれ。パリ、京都を拠点に活動。音そのものが持つ本質的な特性とその視覚化を、数学的精度と徹底した美学で追求している。サウンドメディアと視覚メディアの領域を横断して活動する数少ないアーティストとして、音響、映像、物質、物理現象、そして数学的概念の精緻な構成を用いて、鑑賞者を包みこむようなライブ・パフォーマンス、インスタレーションを発表している。 www.ryojiikeda.com
■開催概要
会 期:2018 年 6 月 15 日(金)~2018 年 8 月 27 日(月)
会 場:ポンピドゥ・センター (Place Georges-Pompidou, パリ市 4 区)
『ジャポニスム2018:響きあう魂』
日仏友好160年の本2018年、両国政府間合意に基づき、芸術の都フランス・パリを中心に、大規模な日本文化・芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」を開催します。
本企画では、パリ内外の100近くの会場で、展覧会や舞台公演に加えて、さまざまな文化芸術を約8ヶ月間にわたって紹介していきます。古くは日本文化の原点とも言うべき縄文から伊藤若冲、琳派、そして最新のメディア・アート、アニメ、マンガまでを紹介する「展示」や、歌舞伎から現代演劇や初音ミクまで、日本の文化の多様性に富んだ魅力を紹介する「舞台公演」、さらに「映画」、食や祭りなど日本人の日常生活に根ざした文化等をテーマとする「生活文化 他」の4つのカテゴリーで東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を前に、日本各地の魅力をパリに向け、また世界に向けて発信します。
会 期:2018年7月~2018年2月
事務局:独立行政法人国際交流基金
ジャポニスム2018公式サイト:https://japonismes.org/