谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro

ARTLOGUE 編集部2018/01/28(日) - 00:47 に投稿
photo 深堀瑞穂

 

谷川俊太郎は1952年に詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たしました。感傷や情念とは距離をおく軽やかな作風は、戦後の詩壇に新風をもたらします。

「鉄腕アトム」の主題歌、『マザー・グースのうた』や、『ピーナッツ』の翻訳、市川崑監督による映画「東京オリンピック」の脚本、武満徹ら日本を代表する音楽家との協働などでも知られるように、幅広い仕事によって詩と言葉の可能性を拡げてきました。
86歳を迎えた現在も、わかりやすく、読み手一人一人の心に届くみずみずしい言葉によって、子どもからお年寄りまで、多くの人々を魅了し続けています。

一方仕事の幅広さ・膨大さゆえに、この国民的詩人の「人」と「作品」の全体像をとらえるのは容易ではありません。谷川俊太郎のエッセンスを探るべく、本展では詩人の現在に焦点をあてることにしました。実生活の喜びやいたみから詩を紡ぎ出し、社会とつながろうとしてきた谷川。その暮らしの周辺をさまざまに紹介します。影響を受けた「もの」や音楽、家族写真、大切な人たちとの書簡、コレクション、暮らしの断片や、知られざる仕事を織り交ぜ、谷川俊太郎の詩が生まれる瞬間にふれる試みです。本展のために書き下ろされる詩や、音楽家・小山田圭吾(コーネリアス)とインターフェイスデザイナー中村勇吾(tha ltd.)とのコラボレーションも発表します。

 

[展示内容]

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Gallery1:音と映像による新たな詩の体験

展覧会の始まりは小山田圭吾(コーネリアス)の音楽とインターフェイスデザイナー中村勇吾(tha ltd.)の映像による、谷川俊太郎の詩の空間です。名作絵本『ことばあそびうた』で知られる詩「かっぱ」など、谷川のことばに内在するリズムと小山田の音楽との出合いにご期待ください。谷川の声をはじめとする音と映像のコラージュは、谷川の詩を浴びるような、新たな詩の体験を生むでしょう。


Gallery2:「自己紹介」

おそらく日本で一番その名を知られているであろう詩人・谷川俊太郎。それぞれの世代が思い浮かべる谷川の仕事や詩人像があることでしょう。その誰もが知っているはずの谷川俊太郎像を見つめ直すため、本スペースでは、20行からなる谷川の詩「自己紹介」に沿って、20のテーマごとに谷川にまつわるものごとを展示します。会場には20行の詩を1行ごとにしるした柱があらわれ、谷川が影響を受けた音楽や「もの」、家族写真、大切な人たちとの書簡、ラジオのコレクション、知られざる仕事などが織り込まれ、選りすぐりの詩作品を取り囲むように展示されます。谷川の詩で谷川を紹介するユニークな展示は、谷川の日々の暮らしと詩の深い関わりが浮かび上がってくることでしょう。 また、本展のための書き下ろしの詩も発表します。

 

コリドール:「3.3の質問」

「3.3の質問」は、谷川が1986年に出版した『33の質問』(ノーマン・メイラーの「69の問答」にちなんで33の質問を作り、7人の知人に問いかけをしながら語り合う)がもとになっています。本プロジェクトではその現代版として、当初の33の質問から谷川が3問を選び、それに「0.3の質問」を加えて「3.3の質問」を新たに作りました。これらを各界で活躍する人々に投げかけ、その返答を作品として展示します。シンプルな問いに、回答者のどんな世界観が見えてくるのでしょうか。「問うこと」、「答えること」、「そこに立ち会うこと」に、詩的な体験があふれています。

 

展覧会ホームページより

 

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谷川俊太郎展 TANIKAWA Shuntaro
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