竹村 京 ― どの瞬間が一番ワクワクする?

ARTLOGUE 編集部2017/12/04(月) - 12:35 に投稿
《Playing Cards 2017, Austrian Cards on German Cards》 2017 年 ドイツ製の 1900 年代のトランプ、
日本製絹糸、合成繊維 800x125mm 24 点 ©Kei Takemura 撮影 ©Kenji Takahashi

 

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)は、2017 年 10 月 1 日に、開館 15 周年を記念して現代美術を展示 するスペース「アトリウム ギャラリー」をオープンし、平成 8 年よりポーラ美術振興財団が助成してき た若手芸術家たちを紹介する「HIRAKU Project」を開始しました。第 2 回の展示として、「竹村京 ― ど の瞬間が一番ワクワクする?」を、2018 年 1 月 13 日(土)から 3 月 11 日(日)まで開催いたし ます。

竹村京は、写真やドローイングの上に刺繍を施した薄い白布をかぶせ、自分や親しい人たちの個人的な 物語や失われたもの、忘れ去られたものを記憶によって再構成して留める平面作品や、日常の生活のなか で破損してしまった個人的なオブジェを接着剤で仮止めし、薄い布で包み、破損部分に白く輝く絹糸でス テッチを加えることによって光を与え、別の美的価値を生み出す〈修復された〉シリーズなどを制作して きました。

本展覧会では、日常における偶然の重なりや瞬間の連続、そしてメモリアルな美しい時間をテーマとし ています。竹村は、国や言語が違っても意味が共有できるトランプを取り入れた作品を近年制作していま すが、今回出品される 24 点の《Playing Cards 2017, Austrian Cards on German Cards》も、ドイツ 製のトランプにオーストリア製のトランプの図柄を日本製の絹糸で刺繍した布を重ね、時代と国を違え て組み合わされるカードのイメージの偶然性を表現しています。そして、今年出会ったという、インドネ シアのジョグジャカルタで流行している「ドミノ」というカードゲームをモティーフとした《Playing Dominos in J.City》でも、ある日、偶然居合わせた人たちとドミノをしてできたカードの列のかたちを、 耐久性のある日本製の絹糸によって薄い布に縫い取り、作品に留めています。本展覧会に出品される作品 は、すべて未発表の最新作となります。

 

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◆イベントアーティスト・トーク&パフォーマンス「Meeting Point with Playing Card」
日時:2018 年 1 月 13 日(土) 15:00
場所:ポーラ美術館 1 階アトリウム ギャラリー
竹村京自身が出品作品の解説を行います。また、ベルリンでも開催したパフォーマンス「Meeting Point with Playing Card」を行います。出品作にちなみ、竹村京が出会った人にトランプを引いてもらって持ち帰ってもらうパフォーマンスです。
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◆竹村 京(たけむら・けい)
1975 年東京生まれ。高崎市在住。2000 年、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリンにて研修。写真や描かれたドローイングの上に刺繍を施した布を重ねた平面のインスタレーションを発表。第 15 回シドニー・ビエンナーレ(2005 年)に参加するなど、国際的に高い評価を獲得しながら活動の場を広げている。
主な個展として「A part Apart」トーキョーワンダーサイト(2008 年)、「Kei Takemura」インスティテュート・オブ・コンテンポラリー・アート、シンガポール(2012
年)、「Which second was the most beautiful?」ギャラリー・エベンスペルガー(ベルリン、2017 年)など。
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