萬画家・石ノ森章太郎展

ARTLOGUE 編集部2019/03/14(木) - 02:33 に投稿
マンガ家として『サイボーグ009』『仮面ライダー』『佐武と市捕物控』など数々のヒット作で知られる石ノ森章太郎(1938-1998)は、エンターテインメント作品を量産する一方で実験的作品『章太郎のファンタジーワールド ジュン』や『マンガ日本経済入門』など画期的なテーマにもチャレンジし続け、万物を表現できるメディアとしての<萬画>を提唱しました。また、後進育成のための、マンガ入門書やエッセイ刊行の他、晩年は郷里貢献活動として、「マンガを活かした街づくり」に尽力するなど、教育者や作家、社会企業家(社会変革の担い手)としての側面も併せ持ちます。 石ノ森の<萬画宣言>は当初、「カルチャーに依存した、サブカルチャーとしての漫画」からの脱却でした。漫画は、コマ絵と呼ばれる1枚のスケッチから、手塚治虫らの活動を経て、絵画や映画と同じ芸術の一分野となりました。そして石ノ森は、手塚の歩んだ道を引き継ぎ、マンガをあらゆる事象<森羅萬象>を表現できるマルチメディアとしての<萬画>へと進化させたのです。彼の遺業の総体を振り返る時、<萬画>は教育や文化・社会現象など、人の営み全てに関わりながら拡がりをみせる萬画家・石ノ森章太郎の人生観そのものです。 現在、未完であった代表作『サイボーグ009』は、彼の意志を継ぐ者により完結され、また東日本大震災で被災した郷里では、石ノ森作品に励まされた人々が震災復興に奮闘しています。<萬画>は、石ノ森没後もその可能性を拡げながら、<希望の光>として私たちの心を照らし続けています。本展は「世界一多作なマンガ家」の多様性、先見性を顕彰するものです。

デジタル時代だからこそ、身体性を伴うアナログなデジタル写真を撮るアーティスト・顧 剣亨(コケンリョウ):「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」グランプリ受賞

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 18:48 に投稿

現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポートすると共に、より良い LIFE スタイル「アートのある暮らし」を提案する作品展示プランのコンペティション「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」。

レベルの高い作品展示プランに審査が難航する中、94組もの応募の中から、グランプリ、「サンワカンパニー社長特別賞」、ファイナリストに5組のアーティストが選出されました。彼らの応募プランのコンセプトやこれまでの活動、そしてこれからについてお話を伺います。


第一回目は《Inbetweening》グランプリを受賞した顧 剣亨(コ ケンリョウ)さんです。

※グランプリ受賞作品《Inbetweening》の展覧会を現在開催中です。展覧会詳細は以下よりご確認いただけます。
顧 剣亨「Inbetweening」:sanwacompany Art Award / Art in The House 2019 グランプリ作品展 

前原冬樹 木彫 ― 木に刻む時の記憶

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:35 に投稿
どこから見ても本物にしか見えない…その精緻で写実を極めた類稀な技巧を超絶技巧と評されることも多い前原冬樹。一つの木の塊から細密にもののかたちを彫り出し、油彩で質感や風合いを表現することで、懐かしくも失われゆく風景や、ものの朽ち果て際の美しさをモチーフに作品をつくり続けています。 1962年、東京都に生まれた前原冬樹は、20代の頃、プロボクサーとして10年間活動。引退後は、32歳で東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻に入学。1998年、卒業制作として絵画と木彫による半立体の作品に取り組んだことを機に、以後、独学で木彫の道を歩む、異色の経歴を持つ作家です。 錆び付いた非常階段にそっと置かれた小さな折り鶴、使い込まれた自転車の皮のサドル、皿にぽつんとのせられた梅干し…前原冬樹ならではの感性によって生み出されるそれらの作品をじっと見つめていると、心に降り積もった記憶のかけらを凝縮した風景が鮮やかによみがえってきます。 本展は、前原冬樹の初期の作品から最新作まで約40点をご紹介する、西日本初の本格的な個展です。前原冬樹の木彫作品を存分に愛で、ご堪能いただければ幸いです。

企画展 古墳文化の珠玉

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:35 に投稿
現代の様々なアクセサリーの先駆けといえる「玉」文化は、古墳時代に花開きました。素材には色彩鮮やかな貴石、ガラス、金属など多様な種類を使い、勾玉、管玉、丸玉、切子玉などのさまざまな形の玉類が作り出されました。 しかし、古代の人々は、玉類を単にアクセサリーとして見ていたわけではありません。時のヤマト王権から下賜(かし)を受けたり、朝鮮半島など各地との外交交渉により入手したり、様々な政治・外交・交易の成果として玉類を得ていました。つまり、玉類の所有状況は、その人物の階層、職掌、性別などを考える有効な材料にもなるのです。 島根県は、古墳時代に全国屈指の玉類の生産地であったことは著名です。当県に関わりの深い「いにしえの玉」を通してみた古墳時代像を紹介します。

平成31年春の特別公開「永々棟のひなまつり」

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:34 に投稿
春の訪れにあわせて、永々棟所蔵の享保雛、古今雛、有職雛、次郎左衛門雛など江戸時代から現代までのさまざまな雛人形をお座敷に飾って皆さまをお迎えします。その他、精巧に作られた雛調度、ふっくらと愛らしい市松人形や西洋人形なども展示します。 また、京の次代を担う若手職人たち「京の伝統産業わかば会」の実演販売会もあわせて開催します。 大正時代の雰囲気が残る数寄屋建築で、春の京都を彩るはんなりとした雛の世界と、細やかな技が光る工芸品をお楽しみください。

命の火・命の水

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:34 に投稿
スイッチ一つで簡単に手に入れることが出来る現代でも、ライフライン“命綱”として重視される火と水。江戸時代にはガス管や各家庭で蛇口を捻れば出るような水道、電線といったものは通っておらず、火や水の確保は生きる上で最も重要な条件でした。本展では街道画を中心に浮世絵版画に描かれた“火”と“水”の作品をご紹介します。明かりとしての“火”や暖をとる“火”、飲用の“水”に清潔さを保つための“水”。江戸時代の人々の生活とともにある“命の火・命の水”をご覧ください。

花鳥の彩り ― 近代日本画の精華 ―

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 02:34 に投稿
花と鳥は人々にとって人生を歩む友として重要な役割を担っています。この世にもし花々と鳥たちがいなかったら、日常の生活は味気ないものとなるでしょう。清少納言は、「木の花は、濃きも薄きも紅梅。桜は、花びら大きに、葉の色濃きが、枝細くて咲きたる。…鳥は、異所のものなれど、鸚鵡、いとあはれなり。人の言ふらむことをまねぶらむよ。ほととぎす。くひな。しぎ。都鳥。ひわ。ひたき。…」(『枕草子』)と述べたように、平安の昔からそれらは人々の生活と密接に関わってきました。 今回の展覧会では、私たちの生活に彩りを添える、選りすぐりの花鳥画を展示いたします。また、近代日本画の巨匠であり、花鳥画の名手として知られる上村淳之先生のご厚意により、ご尊父・上村松篁先生と淳之先生の力作を特別に展示いたします。