ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
フィンセント・ファン・ゴッホ《花魁(溪斎英泉による)》1887年、油彩・綿布、ファン・ゴッホ美術館(フィンセント・ファン・ゴッホ財団)蔵 ©Van Gogh Museum, Amsterdam (Vincent van Gogh Foundation)
装飾は流転する 「今」と向きあう7つの方法
山縣良和《writtenafterwards - flowers II》2017年AWコレクション Photo: Kenshu Shintsubo
装飾は人類と共に常に存在してきました。弔いの儀式や呪術的なタトゥーなどに始まり、ときに 形骸化しながらも、時代とともにまた新しい意味を伴い変化を繰り返し生き残ってきました。そ れはまさに生々流転と言えるでしょう。 この展覧会には7組のアーティストたちが登場します。彼らは年齢も国籍もジャンルもバラバ ラです。その表現もゴシック装飾を施したダンプカーや、様々な文化圏の模様をリミックスした 絨毯、窓のたたずまいからそこに住む人の生活や性格を想像した絵画などなど多彩なものです。 彼らは全く異なる時代や価値観を対峙させたり、実際には存在しない世界を思い描いたり、日常 生活の中の「装飾」を読み取ろうとしたりしています。彼らの試みを見る時、私たちは装飾とい う行為が、生々しい現実を複雑なまま認識するために必要な切り札だということに気がつくので す。Decoration never dies, anyway.
日比谷図書文化館
日比谷図書文化館は、伝統ある「旧・都立日比谷図書館」の図書館サービスを継承・発展させ、更に千代田区立四番町歴史民俗資料館の機能を移行し、千代田区 の特性を踏まえた新しい文化施設です。読む・調べる・学ぶ・楽しむ・交流する・創造する、あなたのための「知識への入口」です。 |
ウェールズ国立美術館所蔵 ターナーからモネへ
クロード・モネ《サン・ジョルジョ・マッジョーレ、黄昏》1908年 油彩・カンヴァス
ウェールズ国立美術館 ©National Museum of Wales
英国・ウェールズの中心都市カーディフにあるウェールズ国立美術館は、1907 年に設立されました。同館は、ターナーやコンスタブルら英国の巨匠はもとより、ミレーやコロー、マネ、モネ、ピサロ、シスレー、ルノワールなどの優れたフランス近代美術のコレクションでも知られます。本展は、同館のコレクションを精選した約70 点により、19 世紀から20 世紀に至る英仏両国の美術の変遷をたどります。印象派のモネやピサロは、普仏戦争の戦禍を避けるため滞在したロンドンで、ターナーの作品にふれ、非常に感銘を受けたといわれています。一方、19 世紀末から20 世紀初めのイギリスの若い画家たちは、フランスの印象派に影響を受けた作品を描き、自国の美術に新しい風を吹き込みました。英仏の美術が海峡を越えて行き来していた様子を、知られざる名画の数々で是非ご覧ください。
藤本由紀夫 「STARS」
Yukio Fujimoto, STARS, 1990, mixed media, 18 点組
藤本は幼少期より⾃宅で⽗親が使わなくなったカメラ、映写機、オープンリールのレコーダーなど50-60 年代に最先端であった機器をおもちゃ代わりにして過ごしました。遊びの延⻑でテープの⾳を切り繋いだり、ラジオのノイズを録⾳していた経験は、後年当時としては珍しく全室スピーカーの設備が備えられた⼤阪芸術⼤学の電⼦⾳楽のコースへ進むきっかけでもありました。電⼦⾳楽もアナログからデジタルへの移⾏期を迎える頃「スピーカーから発する⾳が全て等質に聞こえる」経験をした藤本はやがてスタジオを出ます。そして再び⾃宅で藤本が⾒つけたものはおもちゃのオルゴールでした。⼤きな⾳を作ることから⼩さな⽣の⾳を聞くことへの転換における新鮮な驚きと共に、⾳とは共鳴する空間そのものである、という気づきはその後の制作に⼤きく影響を与えます。また幼少の頃よりそうとは知らずに印象付けられていたマルセル・デュシャンの世界に⾜を踏み⼊れ、さらにジョン・ケージを⾒直し検証するに⾄ったのもこの時期のことです。
西野 達 in 別府
油屋ホテル_内観 提供:混浴温泉世界実行委員会 写真:脇屋 伸光
『in BEPPU』は、別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』(2009年から計3回開催、2015年に完結)の後継企画として、2016年より始動した、大分県別府市を舞台に開催する個展形式の芸術祭です。昨今、日本全国様々な芸術祭が開催される中で、他に類を見ない、国際的に活躍するアーティスト1組による地域性を活かしたアートプロジェクトを毎年秋に実現します。
第2回目の開催となる2017年の招聘アーティストは、公共空間を大胆に変容させるアートプロジェクトを展開し、国内外で話題を巻き起こしてきた西野 達。世界屈指の温泉観光地·別府で彼が創るのは、別府名勝『地獄めぐり』ならぬ『芸術めぐり』。何が起こるかわからない、前代未聞の光景が町じゅうに点在します。
アートはこれまでに見たことがない世界を紡ぎ、異なる視点の存在に気づかせてくれます。私たちは『in BEPPU』の開催を通じ、アートの力によって、驚きや発見に満ちた豊かな地域や人生を実現したいと考えています。
素材と対話するアートとデザイン Art and Design, dialogue with materials
「素材と対話するアートとデザイン
Art and Design, dialogue with materials」
ポスター (デザイン : 佐藤卓)
開館記念展 Part 2 として、「素材と対話するアートとデザイン Art and Design, dialogue with materials」を開催します。
20 世紀の産業は人類の生活環境を一変させ飛躍的に進化をもたらしました。その大きな原動力となったのが素材です。素材は、アートから産業まで、新たな表現からカタチを生み出す創造領域と寄り添ってきました。今日、最先端の技術や新しい解釈が与えられ、あるいは移り変わる社会や暮らしに応えていく中で、素材は技と結びつき、アートとデザイン領域を飛躍させる可能性の幅を広げています。
本展では、木や金属から新素材まで、素材とその変容を 4 つのセクションを通して、様々な素材が放つ魅力、素材に触発されて生まれる造形(デザイン)の世界を紹介します。また、併設開催の国際北陸工芸サミット「ワールド工芸 100 選」展 (主催:富山県)も本展と併せてご覧いただけます。
20世紀の総合芸術家 イサム・ノグチ -彫刻から身体・庭へ-
イサム・ノグチのポートレイト ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] - JASPAR. Photo by Jack Mitchell.
20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチの芸術の全体像を、晩年の石による抽象彫刻を含めた約80点の国内外の優品によって紹介
彫刻をはじめ、舞台美術、家具、照明器具のデザイン、さらには、公園などのランドスケープ・デザインにまで、幅広い活動を展開した20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチ(1904-1988年)。
ノグチが目指した異文化の融合や、生活と環境の一体化は、芸術と社会のつながりを求める21世紀の先駆けともいえるでしょう。
本展では、ノグチの芸術の全体像を、晩年の石による抽象彫刻を含めた約80点の国内外の優品によって紹介します。
20世紀の写真芸術 学生がつくる大阪新美術館・enoco のコレクション展
エドワード・ウェストン 《裸体》 1936年 ゼラチンシルバープリント 大阪府蔵
芸術に関わる仕事に関心のある学生とつくりあげる写真展
この度、大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] では、大阪新美術館建設準備室と共同しコレクション展「20 世紀の写真芸術 学生がつくる大阪新美術館・enoco のコレクション展」を開催します。
今日、SNS をはじめデジタルコミュニケーションの驚異的な発達によって、写真画像は日常にあふれ、それなしでの生活は想像さえできません。そのような中で新しい美術館を整備中の大阪市と、美術作品を収集してきた大阪府もそれぞれ特徴的な写真作品のコレクションを形成してきました。