アリン・ルンジャーン《モンクット》2015(部分) 映像からのスチル
タイの王冠に隠された 知られざる歴史を紐解く
タイの歴史を出発点とする作品で知られる現代美術家、アリン・ルンジャーン(Arin Rungjang)の日本初の個展を開催します。
ルンジャーンは1975 年バンコク生まれ、同市を拠点にアジアと欧米を中心に活動。2013 年のヴェネツィア・ビエンナーレにタイ代表作家として《Golden Teardrop》(2013)を出品。2015 年春には「PARASOPHIA: 京都国際現代芸術祭2015」参加作家として京都市美術館で《Golden Teardrop》と一部京都で撮影した新作《骨、本、光、蛍》(2015)を展示。2017 年はドクメンタ14(ギリシャ・アテネ/ドイツ・カッセル)への招聘を筆頭に、シンガポールやスイス・ジュネーブでの個展の開催、東京の大規模グループ展への出品など、世界の第一線で活躍しています。
2015 年のPARASOPHIA と同時期に、パリのジュ・ド・ポーム国立美術館の主催によりメゾン・ダール・ベルナール・アントニオーズにて新作《モンクット》(2015)を発表。本作は「モンクット王」として知られるラーマ4 世が2 度に渡り自らが受け継いだ王冠を複製し、二つ目のレプリカを1861 年にフランスに渡った大使を通してナポレオン3 世に贈ったという、歴史上の知られざる出来事が出発点となっています(「モンクット」はタイ語で「王冠」を意味します)。1782 年に作られたタイ王国の正式な王冠の1861 年のレプリカを元に更に複製した、ラーマ4 世の子孫にあたる職人の手による新しいレプリカを、同職人も登場する映像などと併せた複合的なインスタレーション作品です。
今回の個展では、ドクメンタ14 への招聘のきっかけにもなった本作を初めてフランス国外で展示します。
アリン・ルンジャーン「モンクット」 フォトギャラリー
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