中村哲也展 NEW・BALANCE

ARTLOGUE 編集部2017/10/23(月) - 18:09 に投稿

入善町下山芸術の森発電所美術館では、平成29年度夏季企画展として、長野県在住の現代美術作家・中村哲也(1968年千葉県生まれ)の個展を開催いたします。

東京藝術大学院美術研究科で漆芸を学んだ中村は、表面性に着目し、昆虫の標本や亀の剥製、捨てられたトロフィーなど既存の物質を素材として使い、物質の持つ意味性と装飾性を増幅させた作品を発表。
1998年より「スピード」と「改造」という現代社会を象徴するテーマをとりあげたジェット機のような彫刻作品「レプリカシリーズ」を展開し様々なジャンルに発表の場を広げていきます。同時に形状の持つ固有のメッセージ性に着目し、強いものをより強く、速いものをより速くみせる為のペイントパターンそのものを彫刻として自立させ、抽象的でありながら強いイメージの純粋立体作品を発表しています。
造形から塗装まで全て手作業で行われているにもかかわらず、それを感じさせないほど精緻な仕上がりは「速さ」「強さ」といった抽象的概念そのものの表現となり、モノの持つ形と表面性、それに喚起される人間の感情との関係を提示しています。

ポーラ美術館開館15周年記念展 100点の名画でめぐる100年の旅

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 04:28 に投稿

時が流れ、美術も動く。

珠玉の100点でみる、歴史のダイナミズム。

2017年、ポーラ美術館は開館15周年を記念し、特別なコレクション展を開催いたします。
ポーラ美術館のコレクションは、ポーラ創業家2代目・鈴木常司が40数年かけて収集したもので、西洋絵画、日本の絵画、ガラス工芸、東洋陶磁、化粧道具など、ジャンルは多岐にわたりその数約1万点を数えます。特に当館の絵画のコレクションは、19世紀から20世紀にかけて活躍した画家たちの重要な作品が、体系的に集められています。本展覧会では当館収蔵の絵画作品のなかから、ポーラ美術館が選ぶベスト100、西洋絵画71点、日本の洋画29点を厳選いたしました。

遠くからでも見える人 ─ 森北 伸 展 絵画と彫刻

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 03:07 に投稿

待望の初・大規模個展

十和田市現代美術館 常設作品「フライングマン・アンド・ハンター」の秘密が今、解き明かされる!?

 

十和田市現代美術館の不思議な常設作品、《フライングマン・アンド・ハンター》。建物と建物の間で、空を見上げて初めて見つけられる2体の彫刻です。空中浮遊しているのか、空へ向かって飛び立とうとする一人を、もう一人がつかまえようとしているのか?ユーモラスな姿で私たちに「間」や「関係」を考えさせます。

この作品の作者、森北伸は、空間を読み込み、素材の特性を生かした素朴な味わいの絵画や彫刻作品を、絶妙なバランスで展示します。作品には人や家、木といったモチーフがよく見られ、環境と作品、建築と作品、人と作品、作品と作品といったさまざまな関係性が「間(ま)」に漂い、詩的なユーモアに包まれます。

デイヴィッド・シュリグリー「ルーズ・ユア・マインド―ようこそダークなせかいへ」

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 02:33 に投稿

ブラックユーモアが特徴の作品で知られるイギリス人現代美術家、デイヴィッド・シュリグリーによる日本初の大規模個展を開催します。
シュリグリーは、日常の場面を軽妙に描写したドローイングをはじめ、アニメーション、立体、写真などさまざまな手法で制作したアイロニカルな作品で国際的に高い評価を得ています。身近な題材を扱った作品は、美術とポップカルチャーの領域を軽やかに横断し、著名なミュージシャンやファッション・ブランドとコラボレーションを行なう一方、マンガやパブリックアートでも注目され、幅広い層から人気を博しています。

澤田教一 故郷と戦場

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 02:05 に投稿

1936年に青森市に生まれた澤田教一は、米軍三沢基地での勤務を経て、1965年に戦火の絶えないインドシナ半島に赴きました。ベトナム戦争が拡大の一途にあった時期に最前線での撮影を続けた澤田は、34歳で銃弾に倒れるまでの約5年間に、数々の傑作を世に送り出し賞を受賞します。ピュリツァー賞受賞作に含まれる《安全への逃避》(画像左下の中央)では、戦闘で故郷を追われながらも、必死に生き抜こうとするベトナムの人々の姿を捉え、世界中に戦場における過酷な現実を突きつけました。
本展では未発表のカットを含む写真や戦地から送られた電送写真原稿など約300点を展示いたします。写真に写し出された故郷と戦場、そこに交錯する生と死を通じて、澤田教一が身を賭して伝えようとしたベトナム戦争に迫ります。「アメリカの戦争」について考えるよき機会となれば、幸いです。

 

澤田教一 故郷と戦場 フォトギャラリー

※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為は法律で禁止されています。

OpenStorage2017 金氏徹平 「クリスピーな倉庫、クリーミーな部屋」

ARTLOGUE 編集部2017/10/18(水) - 01:28 に投稿

 一般財団法人おおさか創造千島財団では、広さ約1,000m²・高さ9mの鋼材加工工場・倉庫跡地を活用した「MASK (Mega Art Storage Kitakagaya)」で保管する大型現代アート作品の一般公開「OpenStorage2017」を、11月3日(金)から26日(日)まで実施いたします。


 4度目となる今回は、メインアーティスト・金氏徹平が、MASKの巨大な空間全体を使い、収蔵作品にも大胆に介入するインスタレーションに挑みます。
また、約60年前に建てられ、造船業に従事していた労働者向けの住居や店舗として使われていた文化住宅を再生し、今年8月にオープンした新スペース「千鳥文化」の極小居室では、サイトスペシフィックな常設作品を初公開します。かつて造船業で栄えた北加賀屋の歴史を物語る工場跡と旧文化住宅、機能の異なる二つの遺構が、金氏の創造性によって如何に連動し変容を遂げるか、是非ご期待ください。

 

※金土日祝のみオープンとなります。詳細は下記サイトにて日時ご確認の上ご来場ください。

 

ジャコメッティ展

ARTLOGUE 編集部2017/10/17(火) - 14:34 に投稿

スイスに生まれ、フランスで活躍したアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966年)は、20世紀のヨーロッパにおける最も重要な彫刻家のひとりです。アフリカやオセアニアの彫刻やキュビスムへの傾倒、そして、1920年代の終わりから参加したシュルレアリスム運動など、同時代の先鋭的な動きを存分に吸収したジャコメッティは、1935年から、モデルに向き合いつつ独自のスタイルの創出へと歩み出しました。それは、身体を線のように長く引き伸ばした、まったく新たな彫刻でした。ジャコメッティは、見ることと造ることのあいだで葛藤しながら、虚飾を取り去った人間の本質に迫ろうとしたのです。その特異な造形が実存主義や現象学の文脈でも評価されたことは、彼の彫刻が同時代の精神に呼応した証だといえましょう。またジャコメッティは、日本人哲学者である矢内原伊作(1918-1989年)と交流したことでも知られ、矢内原をモデルとした制作は、ジャコメッティに多大な刺激を与えました。

態度が形になるとき ―安齊重男による日本の70年代美術―

ARTLOGUE 編集部2017/10/17(火) - 14:17 に投稿
《グループ361° 1973年7月 井の頭公園、東京》1973年
国立国際美術館蔵 © ANZAÏ

開催趣旨

1970 年1 月、安齊重男は同世代の作家たちが生み出す一過性の作品を35 ミリカメラで本格的に記録を取り始めた。画廊に木材、鉄板、綿、砂、パラフィン、粘土…等々、様々な材料を持ち込み、それらの材料をある状態に設置して作品化する一過性の表現は、展示が終了すると当然の如く消えて無に帰した。安齊は、交友関係のあった、李禹煥、関根伸夫、吉田克朗、小清水漸、菅木志雄、など後に「もの派」と呼ばれた作家たちの作品ばかりでなく、自らの嗅覚を信じて、そのような消えて無くなっていくタイプの作品を中心に撮影を始めたのである。