北斎

開館20周年記念展 北斎ー永田コレクションの全貌公開<序章>

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:47 に投稿
北斎研究で国内外に知られる美術史家・永田生慈氏(1951-2018)は、半世紀にわたり北斎やその門人らの作品を蒐集しました。そのコレクションには、北斎の青年期から晩年期までの各期の錦絵、摺物、版本、肉筆画があり、中には保存状態が良い初摺の逸品や、世界で一点または数点しかない貴重な作品も数多く含まれています。さらに蹄斎北馬、柳々居辰斎ら門人たちの作品も幅広く網羅しており、その総数は2,000件を超えます。北斎の70年に及ぶ画家人生はもちろん、同時代や後世に与えた影響関係まで多角的に概観できる内容であり、北斎に関する個人コレクションとしては世界屈指の規模を誇るといえるでしょう。 2017年度、島根県はこの「永田コレクション」の一括寄贈を受けました。当館では今後およそ10年をかけてこの壮大なコレクションを調査し、数回の展覧会を通じて、その全貌を公開する予定です。まずは受贈記念展、当館の開館20周年記念展に当たる本展において、コレクション中の主要な作品をお披露目いたします。永田コレクション全貌公開へ向けた〈序章〉をどうぞお楽しみください。 期間中展示替あり 【前期】2月8日(金)~3月4日(月) 【後期】3月6日(水)~3月25日(月)

北斎とジャポニスム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃

ARTLOGUE 編集部2017/11/10(金) - 00:21 に投稿

日本発、世界初。

西洋と北斎の名作、夢の共演。

 

19世紀後半、日本の美術は西洋の人々を魅了し、"ジャポニスム"という現象が生まれました。なかでも注目された存在が、天才浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)。その影響は、印象派の画家をはじめとして欧米の全域にわたり、また絵画だけでなく彫刻や装飾工芸などあらゆる分野に及びました。北斎は、西洋美術の近代の扉を開ける原動力となったのです。

本展は、西洋近代芸術の展開を"北斎とジャポニスム"という観点から編み直す、世界初の展覧会です。国内外の美術館や個人コレクターが所蔵するモネ、ドガ、セザンヌ、ゴーガンをはじめ西洋芸術の名作約220点と、北斎の錦絵約40点、版本約70冊の計約110点(会期中展示替えあり)による"東西・夢の共演"で、北斎が西洋に与えた衝撃をご覧いただきます。

大英博物館 国際共同プロジェクト  北斎-富士を超えて-

ARTLOGUE 編集部2017/10/17(火) - 04:48 に投稿

稀代の浮世絵師、葛飾北斎

代表作「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、世界で最も知られる作品のひとつです。その構図の斬新さ、デザイン性、一瞬を捉えた魅力の数々を、人々は愛してやみません。この名作を残した北斎とは、どのような人物だったのでしょうか。大英博物館との共同企画である本展では、日英の第一線の浮世絵研究者が、北斎の人物像や精神性を解き明かします。

北斎は70年に及ぶ画業の中で、さまざまな画法を学び、森羅万象を描き出しました。風景や動植物のような目に見える世界だけでなく、晩年には龍や鳳凰、聖人などを題材にして、日常を超えた想像の世界を肉筆画で表現しています。画家の筆遣いがそのまま画面に残る肉筆画には、北斎の卓越した技術や色彩の美しさ、溢れ出す才能の全てが色濃く表れています。

本展では、北斎の晩年30年に焦点を当て、肉筆画を中心に世界中から約200点の作品が集結。北斎が「富士」の高みを超えて、自らが希求した「神の領域」に到達すべく描き続けた軌跡に迫ります。