内藤正敏

TOPコレクション イメージを読む<br>場所をめぐる4つの物語

ARTLOGUE 編集部2019/04/16(火) - 02:31 に投稿
TOPコレクションは東京都写真美術館の収蔵作品を紹介する展覧会です。今年のテーマは「イメージを読む」。作品という視覚的なイメージとその読み解き方を考えます。本展は35,000点を超える当館コレクションから選び抜かれた個々の作品や、複数点からなるシリーズ作品をとおして、それぞれが語りかけてくる物語に着目します。作品の背後にある意味やお互いを結びつける関連性を浮き上がらせることで、イメージを読むという、豊かな鑑賞体験へと観客の皆様を誘います。 5月に始まる第1期は「場所をめぐる4つの物語」をテーマに、「場所」と密接にかかわった4人の作 家によるアプローチを取り上げて、そこから生まれる物語的な世界の広がりを見つめていきます。それぞれの作家たちは、あるひとつの場所や地域を深く見つめ、その場所に固有の生活や風景、出来事をとらえるだけではなく、現実的な事象からさらにその向こう側にある隠された物事の本質や普遍的な意味をとらえています。本展では写真やテキストで展示を構成し、それぞれのイメージを読んでいきます。

内藤正敏 異界出現

ARTLOGUE 編集部2018/05/15(火) - 05:42 に投稿
《死者供養をする老婆、恐山》〈婆バクハツ!〉より 1969年 
ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵

 

このたび東京都写真美術館は、「内藤正敏 異界出現」展を開催します。本展は異色の写真家・内藤正敏の50 年を超える軌跡をたどりご紹介します。作家は 1960 年代の初期作品において、化学反応で生まれる現象を接写して生命の起源や宇宙の生成の姿を捉えました。その後、山形県・湯殿山麓での即身仏との出会いをきっかけに、1960 年代後半から 80 年代にかけて、主に東北地方で民間信仰の現場に取材した〈婆バクハツ!〉〈遠野物語〉など刺激的な写真シリーズを次々と発表しました。「モノの本質を幻視できる呪具」である写真と、見えない世界を視るための「もう一つのカメラ」である民俗学を手段として、現世の向こう側に幻のように浮かび上がる「異界」を発見する人、内藤正敏。そのヴィジョンは、今日の私たちに大きな戦慄と深い洞察を与えてくれるはずです。本展は主な写真シリーズを通して、その 50 年を超える足跡をたどるとともに、その表現世界に通底する独自の世界観、生命観を捉えていきます。