ウィリアム・モリス —デザインの軌跡
ウィリアム・モリス ≪いちご泥棒≫ 1883年 photo ⒸBrain Trust Inc.
「役に立たないものや、美しいと思わないものを、家に置いてはならない。」
「役に立たないものや、美しいと思わないものを、家に置いてはならない。」
ウィリアム・モリス(1834-1896)は、ロンドン近郊に生まれ、オックスフォード大学在学中に思想家・ジョン・ラスキンの影響を受けて中世に憧れ、同時代、産業革命のもたらした芸術の機械化、量産化の傾向に反発し、純正な素材、誠実な手仕事の重要性を訴え、友人のロセッティ、バーン=ジョーンスらとモリス・マーシャル・フォークナー商会を設立しました。
モリスは同商会(後のモリス商会)で、陶板、壁紙、織物、刺繍、ステンド・グラスなどのデザインを手掛け、自身の理念を実践しました。また、1891年にケルムスコット・プレスを創設し、優れたデザインの書籍を多数手がけたことでも知られます。
本展では、モリスおよび仲間たちのデザインした家具、テキスタイル、書籍などを紹介するとともに、世界を旅しながら撮影する写真家・織作峰子が捉えたゆかりの地を合わせて紹介し、「生活と芸術の一致」を唱えたモリスを取り巻く環境を紐解きます。