旅行者と日本のアーティストが交流できる物理的なプラットフォームを構築する実験的なプロジェクト「Bed & Art Project (BnA)」が、京都で新たなプロジェクトを開始。関西を中心に活動する9人のアートディレクターと、16人のアーティストによる、31の「泊まれるアート」作品を制作しました。
その名も「BnA Alter Museum」は、オーナーでありBnA株式会社の代表である田澤悠氏が「これまでにない挑戦的な取り組み」と語るように、高円寺の「BnA Hotel Koenji」とはまた異なる、様々な実験が行われています。河原町通り沿いにある建築基準法ぎりぎりを攻めた建物の前面には高さ30メートルの「Stair Case Gallery」が聳え立ち、銀色の明るい外観とは反対の漆黒にまとめられたフロアに、それぞれ異なるオリジナルの部屋がアート作品としてしつらえられています。
31ある部屋はどれも個性的で、統一されたコンセプトやテーマは無く、いずれもドアを開けた途端、作品世界にそのまま入り込んだような不思議な感覚を味わうことができます。昼と夜とで見え方が変わるように造られていたり、中には「ほんとうに泊まれるの?」というほどアーティスティックで実験的な部屋もありますが、ホテルとしての機能はきちんと用意されています。たとえば、部屋によっては大きな窓から光が差し込み、高瀬川や鴨川、京都の街を見下ろす山々といった自然をアートとして楽しめる部屋もあります。
寝室を広くするため水回りはシンプルにまとめられ、置かれているアメニティも環境への負担が少なく、使いやすいものが選ばれています。寝具も部屋によって異なりますが、基本的にアートと調和したものが選ばれていて、長い時間を一緒に過ごせることを目指しています。
世界的に知られるアーティストも関わっているので、「このアーティストの作品かも」と連想させられる部屋もいくつかあります。自室をベースにしているという部屋もあり、そこでは作者の内面が感じられるかもしれません。
ここに掲載する写真にはあえて説明を付けませんので、誰が手掛けた部屋なのか、ぜひ想像してみてください(答えは記事の最後に!)。
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とにかくこれまでの常識にはまらない部屋が多く、作品によっては定期的なメンテナンスが必要なため専用スタッフも採用しているのだとか。さらに今回ははじめてアーティストとのプラットフォームになるギャラリールームも設定され、定期的に作品を入れ替えるなどしていくそうです。現在、宿泊予約を受付中ですが、1階にあるバーや建物の階段部分を利用したギャラリーは宿泊ゲスト以外でも入ることができ、定期的にイベントも開催される予定です。
アートと共に一夜を過ごす。そこから感じられる作品の新たな一面や感想などが、宿泊ゲストから発信される…そんなもう一つの楽しみ方ができる場になっていくかも気になるところです。
[関連イベント]
展覧会「TO SELF BUILD」
会 期:2019年5月25 日(土)~
会 場:BnA Alter Museum SCG(BnA Alter Museum内)
時 間:11:00~18:00
料 金:500円
URL:http://bnaaltermuseum.com/
出展アーティスト:秋山ブク、中田有美、小林椋、小宮太郎
[答えはこちら]
1. だれのものでもない水 / なにもみえない場所/梅田哲也
2. From one stroke/香月美菜
3. 2019/3019/SHOWKO
4. 1993/油野愛子
5. ガラパゴス団地/ミズグチグッチ
6. 旅の夢 夢の旅/河野ルル