隅田川の東岸と西岸を渡す橋の一つ両国橋は、万治2年(1659)に架けられました。当時は川の東側が下総国、西側が武蔵国であったことから、「両国橋」の名称で呼ばれるようになりました。両国橋は、明暦3年(1657)の明暦の大火の後に、江戸市中の防火・防災目的のために架橋されました。この大火で亡くなった無縁仏の冥福に祈りをささげるための御堂が回向院の歴史の始まりであり、両国橋と回向院の縁の深さがうかがわれます。両国橋は東西を結ぶ幹線道路となり、橋の一帯は江戸随一の繁華街に発展してゆきます。隅田川の四季の風景や行事、見世物、回向院での出開帳や勧進相撲など、そこはまさに文化の中心地でありました。 回向院に眠る鳥居清長の命日にあわせて開催してきたこの展覧会シリーズも、今回で8回目となります。2019年は両国橋架橋から数えて360年にあたり、これを記念した展覧会を企画いたしました。360年といえば、6度目の還暦を迎えることになります。そこで、十干と十二支が一巡りする60年を一つの時代の単位として、およそ60年ごとの江戸・東京の風俗を描いた作品を展示いたします。1660年頃の寛文美人から、1720年の宮川長春、1780年の鳥居清長、1840年の蹄斎北馬、1900年の渡辺省亭、1960年の鏑木清方など、各時代に繁華街で見られた風俗図鑑をお楽しみください。
開催期間
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展覧会ジャンル
展覧会
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