「日本財団アール・ブリュット美術館合同企画展2014-2015 TURN/陸から海へ (ひとがはじめからもっている力)」のギャラリートーク
スピーカー
日比野克彦, 櫛野展正
会場
会期
2015年2月1日~3月29日
展示について
目には見えないけれど、私たちのまわりには様々なルールや壁が存在します。そうした決まりごとは世の中に秩序をもたらしていますが、一方で、そこから逸脱した生き方をする人は他の人たちから排除されるなど、差別の構造を生み出していることも事実です。しかし、ひろく受け入れられているからと言って、それらが正しいとは言えません。 お互いの存在が肯定される幸福な関係をつくっていくためには、まずはじめに、自らのよって立つ地面を疑い、ひっくり返すこと=「TURN」から始める必要があります。そして、そこから私たちは共存に向けた新しい常識をつくりだしていけるのではないでしょうか。 本展が、今とは異なる別な視点で世界をとらえる方法を提示し、世界のあり方がくるっと「TURN」するきっかけになることを願います。
アーティストについて
Chim↑Pom 2005 年、当時2 0 代の6 名が東京で結成したアーティスト集団。おもな展覧会に「広島! ! ! ! !」(旧日本銀行広島支店、広島、2013)、「PAVILION」(岡本太郎記念館、東京、2013)、「日本のアートは10 年おくれている」(ナディッフ、東京、2008)ほか。 サエボーグ 1981 年、富山県生まれ。アーティスト。アンダーグラウンドクラブパーティー「デパートメントH」のスタッフを務める。個展に「Slaughterhouse-6」(Vanilla Gallery、東京、2012)。「第17 回岡本太郎現代芸術賞展」(川崎岡本太郎美術館、神奈川、2014)にて岡本敏子賞受賞。 今村花子 1979 年生まれ。京都府在住。主な展覧会に、「きのうよりワクワクしてきた。ーブリコラージュ・アート・ナウ日常の冒険者たちー」(国立民族学博物館、大阪、2005)、「ライフ」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城、2006)など。映画『花子』(佐藤真監督、2001)出演。 岩谷圭介 1986 年、福島県生まれ。2011 年より、大学在学中に岩谷製作所を創業。同年、ふうせん宇宙撮影を開始。2012 年、北海道大学工学部卒業。各地で講演やワークショップ、工作教室など多数。その活動は各メディアにも取り上げられる。 岡本太郎 1911 年、神奈川県川崎市生まれ。1930 年代のパリに学び、数々の芸術活動に参加。戦後、日本で創作活動を再開。アバンギャルドの旗手として次々に話題作を発表し、1970 年の大阪万博ではテーマプロデューサーとして「太陽の塔」を制作。1996 年没。 小林竜司 1984 年、岡山県生まれ。男性2 名を集団でリンチを加え、生き埋めにして殺害した「東大阪集団暴行殺人事件」の主犯格とされ、2011 年に死刑が確定。2009 年より「死刑廃止のための大道寺幸子基金」によって公募された絵画展に応募。 中原浩大 1961 年、岡山県生まれ。おもな展覧会に「かたちの発語」(BankART Studio NYK、神奈川、2014)、「中原浩大展 自己模倣」(岡山県立美術館、岡山、2013)、共同研究では「AAS 宇宙への芸術的アプローチ」(京都市立芸術大学・宇宙開発事業団NASDA〈現JAXA〉、2001-2003)などがある。 田中偉一郎 1974 年、愛知県生まれ。おもな展覧会に「広島アートプロジェクト」(広島、2009)、「六本木クロッシング2007:未来への脈動」(森美術館、東京、2007)。また『スーパーふろくブック』(コクヨ)、『やっつけメーキング』(美術出版社)などの著書や、音楽など、活動は多岐にわたる。 淺井裕介 1981 年、東京都生まれ。おもな展覧会・プロジェクトに「MOT コレクション 特別展示|淺井裕介」(東京都現代美術館、2011)、「瀬戸内国際芸術祭 2013」(犬島、岡山、2013)、「八百万の物語 - 強く生きる 繰り返す-」(国際芸術センター青森、青森、2012)、ほか。 日比野克彦 1958 年、岐阜県生まれ。おもな展覧会・プロジェクトに「Hibino on side off side 日比野克彦」(川崎市岡本太郎美術館、神奈川、2013)、「HIBINO EXPO 2005 日比野克彦の一人万博」(水戸芸術館現代美術センター、茨城、2005)、「明後日朝顔プロジェクト」(十日町市、新潟、2003-)ほか。 戸來貴規 1980 年、岩手県生まれ。おもな展覧会に「アール・ブリュット・ジャポネ展」(アル・サン・ピエール美術館、パリ、2010-2011)、「JAPON」(ローザンヌ、スイス、2008-2009)、「アール・ブリュット/交差する魂」(北海道立旭川美術館、北海道、2008)ほか。 佐藤初女 1921 年、青森県生まれ。森のイスキア主宰。現在は国内外で講演会や料理講習会など幅広い活動を行う。2011 年社会貢献者表彰。主な著書に『おむすびの祈り「森のイスキア」心の歳時記』(集英社文庫、2005)など。 島袋道浩 1969 年、兵庫県神戸市生まれ。ベルリン在住。おもな展覧会に「札幌国際芸術祭2014」(札幌市内、北海道、2014)、「幸福はぼくを見つけてくれるかな?」(東京オペラシティアートギャラリー、東京、2014)、「美術の星の人へ」(ワタリウム美術館、東京、2008-2009)ほか。 高橋重美 1946 年、岩手県生まれ。おもな展覧会に「アール・ブリュット・ジャポネ展」(アル・サン・ピエール美術館、パリ、2010-2011)、「アール・ブリュット作品との対話~心の病と表現衝動~」(ボーダレス・アートミュージアムNO-MA、滋賀、2009)ほか。
スピーカーについて
日比野克彦 1958 年、岐阜県生まれ。おもな展覧会・プロジェクトに「Hibino on side off side 日比野克彦」(川崎市岡本太郎美術館、神奈川、2013)、「HIBINO EXPO 2005 日比野克彦の一人万博」(水戸芸術館現代美術センター、茨城、2005)、「明後日朝顔プロジェクト」(十日町市、新潟、2003-)ほか。 櫛野展正 広島県福山市鞆の浦で築150年の蔵を改修しオープンした「鞆の津ミュージアム」でキュレーター他を担当。死刑囚の描いた絵画や社会の周縁で表現を続けている人たちに焦点を当て、挑戦的な企画を打ち出し続ける。企画した展覧会に『ヤンキー人類学』(2014)、『極限芸術〜死刑囚の表現〜』(2013)など。