サヴィニャック　パリにかけたポスターの魔法

ARTLOGUE 編集部が 2018/06/18(月) - 18:16 に投稿

フランスを代表するポスター作家であり日本にも多くのファンをもつレイモン・サヴィニャック（1907‐2002）のかつてない大規模個展が、この夏、三重にやって来ます。

1949年、ベルナール・ヴィルモとの二人展で発表した《牛乳石鹸モンサヴォン》のポスター原画が、モンサヴォンのオーナーの目にとまり、広告へと正式採用されました。遅まきの成功の後、1950年代から60年代にかけては、ビック、チンザノ、シトロエン、ダンロップ、ミシュラン、ティファール、プチ・バトーといった企業の広告を数多く手がけ、代表作を次々に生み出しました。サヴィニャックのポスターは、シンプルな造形とあざやかな色彩、そしてかわいらしくユーモアあふれる表現を特徴としています。その一見素朴なポスターは、広告する製品の魅力を強くアピールするための最良のモチーフや構成が、選び抜かれてデザインされています。　

本展では、その表現の秘密にせまるため、作品を年代順ではなく、「動物」、「子ども」、「働くヒト」といったモチーフや「指さすヒト」といった表現方法、「ビック」「自動車」といった製品ごとにセクションを設けて紹介します。実際に街を飾った大型ポスターや、当時のパリの景観写真、原画や資料、遺品等もあわせて200点以上におよぶ展示品により、サヴィニャックの人物と作品の魅力に迫ります。陽気で心躍るサヴィニャックの作品は、展覧会をおとずれる人にもきっと、ポスターの魔法をかけるでしょう。

展覧会のみどころ

パリの街角を飾った超大型ポスターが来日

パリ市フォルネー図書館の協力の下、大きいもので約3×４メートルにもおよぶポスターの来日が実現しました。リトグラフの技法でつくられた当時のポスターは、現代の印刷物では味わうことのできない鮮やかさや風合いがあります。パリの街角のポスターに、約半世紀のときを超えて出会う喜びを堪能してください。

１０のテーマで独自のグラフィック手法にせまる

主にフランスの所蔵者よりお借りした200点あまりの作品を、年代順ではなく１０のセクションに分けて楽しく紹介します。「動物」、「子ども」、「働くヒト」といった作家の定番のモチーフに加えて、「指さすヒト」や「製品と一体化したヒト」といった表現方法、「ビック」「自動車」などの製品ごとに作品を展示し、「どのようにメッセージを伝達するか」を視覚的に追求した本作家独自のグラフィック手法に迫ります。

当時の写真や資料を通して多角的に紹介

本展では、実物のポスターに加えて、木村伊兵衛らによる当時の景観写真を展示し、サヴィニャックのポスターがパリの街角をいかに彩ったかをご覧いただきます。また、作家の生い立ちや素顔がかいま見える写真や、アトリエに残されていた道具類といった様々な資料を通して、作品だけでなくサヴィニャックの人となりに触れていただける展示です。

開催概要

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会　期：2018年6月30日（土）～9月2日（日）
会　場：三重県立美術館　企画展示室
時　間：9:30～17:00（入館は16:30まで）
休　館：月曜（ただし7月16日は開館）、7月17日
入館料：一般1,000（800）円　学生800（600）円　高校生以下無料
＊（　）内は前売りおよび20名以上の団体割引料金