素描

はじまりのかたち ― 素描―展

ARTLOGUE 編集部2019/02/13(水) - 02:48 に投稿
この度、MOU尾道市立大学美術館において、『はじまりのかたち―素描―展』を開催いたします。今回は特別編として、造形作家やデザイナーとして活躍する教員の素描を、学生の作品と合わせて広く展示します。また、石膏や写生デッサン、下図といった従来の素描展での展示内容に加え、準備段階のスケッチや構想メモ、アイディアノートや写真によるメモ、作業途中の修正指示をも幅広く「素描」ととらえなおして提示します。 造形面だけでなく認知や思考における「素描」の機能を、あらためて視覚的に振り返るという新たな試みをぜひご覧ください。

福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ

ARTLOGUE 編集部2019/01/15(火) - 10:46 に投稿

2018年に生誕120年を迎えた福沢一郎(1898-1992)。 1930年代の日本にシュルレアリスムを紹介し、前衛美術運動のリーダーとして活躍しました。戦時中は弾圧を受けますが、戦後は再び社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組み、晩年は文化勲章を受章するなど波乱の人生を歩みました。 福沢は「謎めいたイメージ」の中に込めた知的なユーモアによって、社会の矛盾や人びとの愚かな行いを諷刺的に笑いとばしました。本展では油彩・素描・写真など約100点の作品から、福沢が時代の中でどのように社会と向き合い表現したのかを今日的視点から見直し、彼の作品を再評価していきます。 いかなる社会状況にあっても、エスプリの効いた社会批評をしたたかに続けた福沢の表現は、普遍的な人間批評の実践として、私たちが現在直面している表現や言論をめぐる様々な状況を考えるヒントを与えてくれるでしょう。 会場では担当学芸員による鑑賞ワークシートをご用意。福沢のシュールでユーモアにあふれたイメージを、いつもとちょっと違った角度から、謎解き気分でご覧いただけます。

神戸ゆかりの芸術家たち 素描コレクション展2 特集:小松益喜の中国・ロシア風景

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:22 に投稿
阪神・淡路大震災(1995)で被災した小松益喜(1904~2002)のアトリエから救出された作品群は、神戸市へ寄贈され、のちに当館コレクションとなりました。 2016年、その中から神戸市の姉妹都市であるラトヴィア共和国リガ市のスケッチ(1975)を特集展示しました。 今回は現在の中国、台湾、ロシアの風景を紹介します(初公開多数)。 1936年、小松は大連(旧・満州国)を訪れました。 1938年3月には小磯良平・中村鉄と台湾へ写生旅行に赴いています。 台湾は日清戦争後に割譲され、日本が統治していました。当時の画家たちにとって、陽光に満ちたエキゾティックな風景を描くことができる内地旅行だったのです。 第二次世界大戦後は、まだ旅行に制限があった旧ソ連(現・ロシアなど)に行っています。 1969年11~12月にモスクワ、レニングラード(現・サンクトペテルブルク)を訪れ、寒さを感じさせるスケッチを残しました。 各地の風光を捉えた素描は歴史的にも価値があり、おいそれとは再訪して描けないため、作家の宝物でした。 また、描かれて80年の間に世界は大きく変わり、国名は変化、そのことがリアルに伝わります。貴重な素描の作品群と1年ぶりの公開となるアカデミー・バー壁画、油彩画、あわせて約120点を展示します(会期中大幅に展示替をします)。 前期:12月18日~2月11日、後期:2月14日~4月7日