古美術

諷刺画にみる幕末から明治の庶民

ARTLOGUE 編集部2019/04/11(木) - 02:30 に投稿
このたび当館では、下記の通り特別展「諷刺画にみる幕末から明治の庶民」を開催いたします。所蔵資料や寄託資料から60点を選び、幕末から明治の庶民を生き生きと描いた浮世絵をご紹介いたします。 戊辰戦争前後の新政府が確立していく時期、特に慶応3年(1867)10月の大政奉還から翌年4月の江戸開城までに制作された諷刺画には、幕末の江戸の人々が抱いていた政治や社会情勢に対する感情が表れているといえます。その多くは、歌舞伎や故事になぞらえたものや各地の名産で読み解くものなどですが、本展では特に合戦を子供の遊びに見立てたものを中心に展示いたします。無邪気な子供をモチーフにした「見立て子供遊び絵」では、二手に分かれておもちゃの鉄砲や大砲で戦う姿、綱引きや相撲、竹馬で競う様子などが描かれていますが、子供たちの着物に施された符号によって巧みに当時の世相を諷刺しており、徳川慶喜、天皇、諸藩の描かれ方や台詞によって江戸庶民の心情を読み解くこともできます。この展示を通して、当時の庶民の気持ちに触れていただければ幸いです。なお、本展は2012年の特別展「幕末から明治の諷刺画」に引き続き、本学名誉教授M. ウィリアム・スティール氏の監修を賜りました。

美の饗宴 若冲と祈りの美

ARTLOGUE 編集部2019/04/05(金) - 02:31 に投稿
今春、開館21周年を迎える細見美術館は、新しい時代の幕開けに臨み、細見コレクションの原点、若冲と宗教美術の展覧を行います。江戸時代絵画を代表する絵師として知られる伊藤若沖(1716~1800)。彼の精緻な彩色表現や自山闘達な水墨画風は、生きとし生けるものの姿を独自の視点で捉え、瑞々しい絵画世界を創り上げました。初期の代表作「糸瓜群虫図」をはじめ、館蔵の若沖作品の数々にその魅力を探ります。 一方若沖と並び、蒐集において特に情熱を傾けたのは宗教美術でした。仏像や仏画はもとより、神仏習合を物語る作品にも広く関心を寄せ、人々から祈りの心を託された諸像や荘厳具に気高い尊さを見出したのです。重要文化財「刺繍大日如来像」、同「線刻十二尊鏡像」などいずれも小品ながら、隠やかな仏の笑みは今もなお、人々に美しく生きる心の在りようを示すかのようです。 若沖と宗教美術、両者に通じるのは表現対象に真撃に向き合い、美に昇華させた作り手の崇高な精神ではないでしょうか。自然や神仏への敬意、それを見事に造形化した日本美術の豊かさをご堪能ください。

芹沢銈介の屏風

ARTLOGUE 編集部2019/04/05(金) - 02:31 に投稿
「芹沢銈介の屏風」展では、「四季曼荼羅図二曲屏風」「丸紋いろは六曲屏風」「四季文尽くし四曲屏風」など、屏風の名作を中心に、着物やのれんなど80点の芹沢銈介作品をお楽しみいただきます。 展示室の後半には、芹沢の収集品から日本の屏風や絵本などを展示します。芹沢が愛蔵していた「誰が袖屏風」(桃山時代)をはじめとして、大津絵、泥絵、丹緑本、奈良絵本、菓子のひながた本など、芹沢が愛した貴重な品々50点をご紹介いたします。

花鳥虫魚を描く ― 応挙・広重・シーボルト ―

ARTLOGUE 編集部2019/04/04(木) - 02:31 に投稿
所蔵品の中から、動物や植物など生きものの姿や形をとらえた絵に着目して、浮世絵版画も含めた江戸時代以降の日本の絵画と、19世紀以降のヨーロッパで制作された版画を選び、両者を同時にご覧いただく、当館として初めての展覧会です。日本の絵画は、円山応挙の写生図をはじめ、葛飾北斎や歌川広重など著名な絵師が描いた浮世絵版画と、熊谷守一や高間惣七の油彩による現代の静物画を展示します。 ヨーロッパの版画は、シーボルトが出版した『日本動物誌』と『日本植物誌』から手彩色による石版画を展示し、同時期に出版されたイギリスの野生植物図譜やアジアの鳥類図譜も紹介します。 ※会期中展示替え有り。 前期:4月14日(日)~5月6日(月・振) / 後期:5月8日(水)~6月2日(日) ※重要文化財「枯木鳴鵙図」宮本武蔵筆は、前期(4/14~5/6)に展示します。 ※特別出陳 国宝「青磁 鳳凰耳花生 銘万声」は、全期間展示します。

伊豆半島仏像めぐり ― 伊豆13市町の仏たち ―

ARTLOGUE 編集部2019/04/04(木) - 02:31 に投稿
火山が生んだ大地を大小の河川や海が長い時をかけて刻み、複雑で美しい地形を作リとげた伊豆半島。変化に富む地形は、人々の多様な営みを生み、地域ごとに特色ある歴史を紡ぎ出してきました。本展は、伊豆に存在する7つの市と6つの町からそれぞれ1点ずつ仏像を選び、展示いたします。時代は平安時代から江戸時代まで、大きさも選ばれた基準も様々ですが、それぞれ各地の人々の信仰を集め、守り伝えられてきた貴重な文化財です。13市町出身の個性的な仏像との出会いを通じて、伊豆の歴史と文化に触れ、その魅力を再発見していただければ幸いです。

明大コレクション「中国鏡」

ARTLOGUE 編集部2019/04/04(木) - 02:30 に投稿
明治大学博物館 常設展示室 考古部門エリア内にて、期間限定で中国鏡コレクションを公開しています。どなたでも入場無料で展示をご覧いただけますので、お気軽にお立ち寄りください。※小規模展示ですので、他の展示と併せてお楽しみください。

遊びの流儀 遊楽図の系譜

ARTLOGUE 編集部2019/04/03(水) - 02:30 に投稿
「遊びをせんとや生まれけむ」とは、『梁塵秘抄』の有名な一節です。この展覧会は美術のテーマとなった「遊び」に着目し、双六やカルタ、舞踊やファッションなど、男女が熱中し楽しんだ様々な遊びの変遷をながめます。とくに近世初期の「遊楽図」の名品を通して、ある時は無邪気に、またある時はものうげに遊び暮らした先人たちの、遊びの極意や、浮世を生きる術に、思いを馳せるひとときをお届けします。

観峰館春季企画展「近江書画探訪~新しいけど面白い!?~」

ARTLOGUE 編集部2019/04/02(火) - 02:31 に投稿
観峰館が所蔵する日本の書画作品は、江戸後期から明治・大正時代に集中しています。その中には、地元・滋賀県出身の日下部鳴鶴、巌谷一六、2人と同時代に活躍した佐賀県出身の中林梧竹ら「明治の三筆」をはじめ、時代を代表する多くの書家の作品が含まれます。同時に、東近江地域に目を向けると、近代の書画作品は、多くの作品が伝わっていながら、これまで航海されることはほとんどありませんでした。初公開作品を含む、地域所縁の作品とコラボレーションすることで、観峰館所蔵作品の存在意義に光が当てられると考えます。この機会に、「近代」という新しい時代に生まれた書画作品を、じっくりとご鑑賞ください。