アニアス・ワイルダー「Until the End of Time」
アニアス・ワイルダー「Until the End of Time」DM |提供: アートコートギャラリー
このたび、テヅカヤマギャラリーでは大江慶之の個展「ボーズ ボーンズ ボーン」を開催いたします。
1980年生まれの大江は大阪を拠点に活動しているアーティストです。これまで自画像を中心とした平面作品を発表してきましたが、2007年以降は並行して立体作品も発表するようになります。
視点を変えることで、イメージが持つ意味や認識が変化すること。大江慶之は一貫してそれをテーマに取り組んできました。大江の作品には体操服を着た少年がたびたび登場します。それらと髑髏(どくろ)や鶏頭、蝶といった異なるモチーフをコラージュ的に組み合わせ、固有の文脈から切り離した状態にし、新たなイメージへと転換させますが、作品が一つのストーリーや印象だけに集約されないよう注意深く作られます。
空間の歪みや分裂といったノイズ現象に着目し、新平は院生の頃より、複数の時間軸や光学原理をテーマに独自の絵画世界を築き始めました。写実的な描写でありながら、対極するイメージの輪郭を曖昧なままに組み合わせた《Reflection》シリーズや、チップ状の筆致で画面を覆い、モデルの実体を動的変化でとらえよう試みる《Refraction》シリーズなど。光の反射・透過・屈折現象と視覚効果を用いた実験的なアプローチで、現代における絵画の時間と空間表現を探求し続けています。
この度、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、小山登美夫ギャラリーのコレクション展を開催いたします。小山登美夫ギャラリーでは、これまで、国境やジャンルを越えて、多岐にわたるアート作品を紹介してきました。本展では、これから展覧会を予定しているアーティストを中心に、選りすぐりの作品を展示いたします。絵画、彫刻、陶芸など多面的にアートに触れていただける機会となります。ぜひご高覧ください。
レントゲンヴェルケの元祖、レントゲン藝術研究所の実質のオーナーであった玄趣庵宗雪こと池内克哉の様々なコレクションは、その本筋である侘び茶の世界に止まらない、ユニークな広がりを持っている。
芸術作品は本質的にある種の機能を帯びている。彼の自由度の高い視点は、作品の「機能」の読み替える。この読み替えによって、作品は新たな意味や価値を持つのだ。
新たな意味を与えられたコレクションに対し、現代美術のギャラリーであるレントゲンヴェルケオーナー池内務は何を組み合わせるのか?さらにどのような価値の組み替えが行われるだろうか。池内親子による趣味性の高い、楽しい展示を企む。
古くからその独特の形状で「霊峰」として信仰の対象であり、日本を象徴するかたちのひとつでもある富士山。
現存最古の富士図としてしられる平安時代の「聖徳太子絵伝」に始まり、葛飾北斎の連作版画「富嶽三十六景」など日本美術の歴史においても重要なモチーフとして特異な位置を占めてきた。
進行中のプロジェクトとして現在ホンマタカシは、北斎の「富嶽三十六景」を念頭におきながら、合計36点の富士図の制作を試みているという。今回はそのうちの11点の新作(モノクローム・カラーとも)を展示する。
ピンホールカメラで撮影されたホンマの富士は、撮影後、データ化され、ピンホール写真でありながらエディションを有するイメージとなり、ひとつの山がもつ複数の姿や多彩な表情を現出させるのである。
蓮沼執太は、音楽作品の制作やプロデュース、映画、演劇、ダンスなど他ジャンルとのコラボレーション、音楽的出自が異なるミュージシャンたちを集めコンサートを行う蓮沼フィル、音や音楽の視覚的表現、「作曲」(composition)の手法を応用した展覧会やプロジェクトを行うなど、多彩な音楽活動を展開し、高い評価を得ています。
今月23 日からは、蓮沼のアメリカでの初個展となる展覧会『Compositions』をニューヨーク・ブルックリンにある総合アートスペースPioneer Works で開催し、現地で滞在制作した新作を中心に発表しています。蓮沼にとって展覧会は、空間の中で聴覚と視覚の接点を見つけていく行為だといいます。フィールドワークで収集した環境音や自ら作った音を素材として実験的に音楽を創ったり、指揮者と演奏者、パフォーマー同士、演奏者と観客というように他者と流動的に関わりながら協働で音楽を創るといった独自の作曲方法を用いて、展覧会では音楽を視覚的に表現することを試みます。
牧野貴(1978 年東京都生まれ、横浜在住) は、2001 年に日本大学芸術学部映画学科撮影・録音コース卒業後に渡英、ブラザーズ・クエイのアトリエコニンクを訪問し、映像、照明、音楽に関しての示唆を受けました。 その後、カラーリストとして、 多くの劇映画やCF、ミュージックビデオ等の色彩を担当し、 フィルム及びビデオに関する技術を高めながら、 2004 年より自身の作品上映を開始しました。
自然現象や人間、 街など既成のオブジェクトを、フィルムやビデオなど様々なフォーマットで撮影、編集段階において重層化して構築し、その無限に広がり続けるような極めて有機的で想像的な牧野の映像作品は、 国際的に高く評価されてきました。 現在は日本を拠点に、映画、音楽、インスタレーション、オーディオビジュアルパフォーマンスなど世界各地で発表しており、 ジム・オルーク、大友良英、坂本龍一、マシネファブリーク、サイモン・フィッシャー・ターナーなど著名な音楽家とのコラボレーションも活発に行っています。