狩野派の画人たち ― 原六郎コレクションの名品
室町から江戸まで、ほぼ4世紀にわたって画壇に君臨した狩野派は、近世日本美術史を代表する画家集団で、これらの作品は原六郎コレクションにも多数含まれています。本展は「三井寺旧日光院客殿障壁画」と「狩野派寄合書」を中心に、狩野派の画人たちによる絵画表現の魅力をご鑑賞いただきます。
昔から洋の東西を問わず、絵画や彫刻といったそれ自体は動かない造形物の中に《動》を表現して力や速さを感じさせたり、 その逆に、動かない造形物だからこそ《静》を強調させたり、美術表現はさまざまな可能性を追究してきました。 筆致が喚起する勢いや動き、画面の構図や余白が醸し出す力や静謐さ等々、今回はそのような《動と静》の表現に注目し、 原六郎コレクションから選んだ日本の古美術作品を展示いたします。 風景・人物・動物などの絵画表現(狩野派、雪村、住吉広行ほか)だけでなく、筆によって書かれた文字(本阿弥光悦ほか)もまた、 この視点から鑑賞すると興味深いことでしょう。