川崎市

かこさとしのひみつ展-だるまちゃんとさがしにいこう-

ARTLOGUE 編集部2018/07/31(火) - 10:07 に投稿

本年5月2日にかこさとし先生が92歳でご逝去されました。かこ先生は本展のことを大変気にかけてくださり、川崎での開催をとても楽しみにされていたので残念でなりません。本展は図らずも回顧展の形となりますが、哀悼の意を込めて開催させていただくことにいたしました。謹んで心からご冥福をお祈り申し上げます。
さて、『だるまちゃんとてんぐちゃん』や『からすのパンやさん』などで知られる絵本作家かこさとしは、1959年に『だむのおじさんたち』でデビューして以来、半世紀以上にわたって物語絵本や科学絵本など多岐にわたる作品を発表し続けてきました。その創作の原点は、1950年代の川崎市幸区古市場でのセツルメント活動(※)にありました。かこさとしはセツルメント活動において川崎の子どもたちに創作指導するほか、自ら紙芝居や幻灯を制作し、子どもたちに読み聞かせていました。このときの体験がその後の作家活動の大きな糧となります。

街の中の岡本太郎 パブリックアートの世界

ARTLOGUE 編集部2018/07/06(金) - 14:15 に投稿

岡本太郎が多面的な活動の中で、公園や学校などパブリックな空間に創作した作品は、全国に70ヵ所140点以上に及びます。岡本は、作品が個人の所有物となることを拒みつづけ、誰でもいつでも見ることの出来るパブリックな空間に作品を創り続けました。そこには「芸術のための芸術」ではなく、芸術が我々の日常空間にあって社会と芸術をつなげる不可欠な存在であり、人間の根源的歓びと感動を呼び覚ますという彼の芸術理念が貫かれていました。

本展は、日本万国博覧会テーマ館《太陽の塔》のリニューアルを記念して、岡本が生涯を通じて社会に打ち出したパブリック作品を俯瞰するものです。会場にはモザイクタイルを使った初期の作品から大阪・千里の《太陽の塔》、東京・渋谷の《明日の神話》をはじめとする全国津々浦々に創られた作品を、その原型、原画、スケッチ、写真等で紹介します。場との迎合を否定し、対立することでお互いの個性を生かすという岡本の作品に込められた思いと、社会に打ち出されたメッセージを知る機会となることを願っています。