小川信治

「小川信治−あなた以外の世界のすべて」千葉市美術館 フォトレポート

ARTLOGUE 編集部2016/10/17(月) - 03:31 に投稿

小川信治は「世界とは何か」をテーマに、西洋名画や観光名所など人々の見慣れたイメージを改変し、鑑賞者の感覚をゆさぶる作品を作っています。

レオナルド・ダ・ヴィンチやフェルメールといった誰もが知る名画を忠実に模写し、そこから中心となる人物を抜き去った「Without You」シリーズや、写真や古い絵葉書を元に人物や建物など同じモチーフを二つ並べて描き込む「Perfect World」、モン・サン・ミッシェルを思わせる形のなかに様々な国や時代の建築様式を組み込み、幾通りもの風景を現した「モアレの風景」など、油彩や鉛筆といった伝統的な技法を用いながら、多様なシリーズが生み出されました。

首都圏の美術館において初の個展となる本展では、代表作から、近年の新たなシリーズ、また、一つの風景が層状に組み換えられ別の風景へと循環していく《干渉世界》など、小川による様々な試みがご覧になれます。

 

視覚芸術百態:19 のテーマによる196 の作品

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 05:28 に投稿

あらゆる領域において情報が氾濫し、グローバル化と多様化が進む今日では、美術館における収蔵品の展示方法も、時代別・地域別という正統な方法が充分には機能しなくなってきています。実際のところ、欧米の現代美術館にはテーマ別で常設展を実施するところも出てきています。この展覧会は、当館のコレクションを19 のテーマに分けて紹介します。テーマとして選んだのは、いま改めて考えてみる意義が感じられるトピックで、それらは「作品の要素」と「描写の対象」に大別できます。展示作品は、テーマを象徴する典型的作品から意外に思えるような作品まで様々です。新収蔵品も約50 点含まれています。時代・地域・ジャンルなどの基本的な美術の枠組みを大前提に選んでいますが、多種多様な作品間のつながりが感じとれる組み合わせになっています。この特別な所蔵作品展は、各自が持つ美術についての知識を再確認するにとどまらず、新たな発見があり、美術を見つめ直すきっかけにもなるに違いありません。

 

本展のみどころ

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