マイク・ケリー展 デイ・イズ・ダーン 〜自由のための見世物小屋〜
マイク・ケリー(1954-2012)は、アメリカの大衆文化を通じて、社会の奥深くに潜むさまざまな問題点をあぶり出しそれらをアートのフィールドに持ち込んだ、現代アートの最も重要なアーティストの一人である。 1世代前にポップ・アートの旗手として華やかに登場したアンディ・ウォーホルが表のスターだとすると、マイク・ケリーは裏の帝王だろう。 階級やジェンダーなどのマイノリティに対する差別、トラウマや暴力、性などを題材に痛烈な皮肉やユーモアを交え作品として発表しつづけた。
ワタリウム美術館では今回の展覧会を皮切りに、マイク・ケリーのさまざまな作品を複数回の展覧会としてまとめ紹介していく計画である。 まず「Day is Done」(2004-2005)という高校時代の「課外活動」の様子を写したモノクロ写真の再生の中で映像やインスタレーション、写真作品へと広がっていった大作を展示する。 ヴァンパイア、田舎者、ハロウィンの祭り、不機嫌な悪魔などを登場させ、ダンスや音楽、シナリオテキストなどすべてをマイク・ケリー自身がディレクトしている。