美術館

開館35周年記念 日中国交正常化45周年記念特別展「唐代胡人俑―シルクロードを駆けた夢」

ARTLOGUE 編集部2017/12/07(木) - 06:18 に投稿

本展では、中国甘粛省の慶城県博物館が所蔵する約60点の作品の展示により、唐代胡人俑の魅力をご紹介します。

今回の展示では、2001年に甘粛省慶城県で発見された唐時代(618-907)の穆泰(ぼくたい)墓(730年)から出土した胡人俑(こじんよう)の数々を日本で初めて紹介いたします。胡人俑とは、唐時代のシルクロード文化を象徴するものの一つであるエキゾチックな風貌の胡人(ソグド人などの異民族を指す中国における名称)を表現した陶俑(副葬用の陶製人形)です。とりわけ、穆泰墓出土の胡人俑は鮮やかな彩色と極めて写実的な造形により、胡人の姿が生き生きと表現されており、唐代胡人俑を代表するものの一つです。

斬新な魅力に満ちた唐代胡人俑の最高傑作を通して、シルクロードを駆け巡った胡人たちの息吹を感じていただければ幸いです。なお本展に併せて、国立国際美術館との共催による同館所蔵の現代の人物彫刻約10点を展示する連携企画「いまを表現する人間像」展、ならびに特集展「中国陶俑の魅力」なども同時開催します。

 

小杉武久 音楽のピクニック

ARTLOGUE 編集部2017/12/05(火) - 12:36 に投稿
タージ・マハル旅行団 「Free Rock in Ueno」 (1970 年) 武重隆夫 撮影

 

開催趣旨

小杉武久(1938〜)は作曲家/演奏家として、約60年にわたる活動を行ってきました。しかし、その活動は当初よりヨーロッパの伝統音楽の継承ではなく、つねに既成の「音楽」という概念を拡張しようとするものでした。小杉は大学在学中の1960年に、演奏家たちの自主性に基づいた即興演奏をする「グループ・音楽」を学友たちと結成します。60年代には反芸術集団「ネオ・ダダ」や「ハイレッド・センター」のメンバーなどと協同する一方、ニューヨークを拠点とした芸術家集団「フルクサス」とも関わりつつ、「音」を超えた音楽のありかたを追求していきました。1969年には現代音楽、ロックなどのジャンルを超えた「タージ・マハル旅行団」を7人で結成し、海岸、コンサート・ホール、ロック・フェスティバルなどのさまざまな場所で演奏を行い、国際的な活動も展開することとなりました。さらに1977年からは、ジョン・ケージが音楽監督を務めたニューヨークの「マース・カニングハム舞踊団」の専属音楽家として、さらに、個人としても世界各地で活躍しています。

草間彌生「My Soul Forever」

ARTLOGUE 編集部2017/12/03(日) - 18:34 に投稿

草間彌生作品コレクションは、当館のコレクションの大きな特徴です。フォーエバー現代美術館(祇園・京都)のオープニング展として、「フォーエバー現代美術館コレクション 草間彌生 My Soul Forever」展を開催します。
展覧会では、第 1 部として、全 376点の草間作品コレクションから 81 点を展示します。内容は、1950 年から 2008 年までのオリジナル作品のほか、1979 年から2015年までの版画作品を展示します。それによりこれまでの作家の作品世界を概観いただけます。美術館の屋外入り口には、フォーエバー現代美術館のシンボル作品として、直径 5 メートルの南瓜のパブリックアートを常設展示します。

 

没後40年 熊谷守一 生きるよろこび

ARTLOGUE 編集部2017/12/06(水) - 09:06 に投稿
熊谷守一 《雨滴》 1961年 愛知県美術館 木村定三コレクション

 

97年、自分の思うままに 生き、描いた画家の軌跡


没後40年を記念して、画家、熊谷守一(1880‐1977)の回顧展を開催します。

熊谷守一は、明るい色彩と単純化されたかたちを持つ作風で知られます。晩年は花や虫や鳥など身近なものを描きたくさんの作品を生み出しました。飄々(ひょうひょう)とした味わいを持つエッセイでも知られ、『へたも絵のうち』(原著は1971年、現・平凡社ライブラリー刊)は、現在もロングセラーの文庫となって若い層にも読み継がれています。

その作品は一見ユーモラスで、何の苦もなく描かれたように思えます。しかし、若い時期から晩年までの制作を詳しくたどると、暗闇や逆光など特殊な条件下でのものの見え方を探ったり、スケッチをもとに同じ図柄を複数の作品に用いる方法をつくり上げたりと、さまざまな探究の跡が見えてきます。穏やかな作品の背後には、科学者にも似た観察眼と考え抜かれた制作手法とが隠されているのです。

ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー

ARTLOGUE 編集部2017/11/30(木) - 23:27 に投稿
The Carnie   2010 写真撮影: 木奥惠三

 

ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーは、高度な音響・メディア技術と独創的な造形を駆使して、「聞く」「見る」といった複合的な知覚経験を伴う独特な世界を創り出します。いったん、彼らの作品世界に足を踏み入れると、まるで魔法にかけられたかのように、見えないものが見え、聞こえない音が聞こえるかのように、一瞬で現実を飛び越えて彼らの物語に没入してしまいます。
本展では日本初公開作品となる8点のインスタレーションをご紹介します。一つひとつの展示室が独立した、ユニークな構造を持つ金沢21世紀美術館の空間を生かし、ひとつの展示室でひとつの作品を展示していますが、全体は作品ごとに違う物語が共鳴するように展開しています。つくり込まれた作品の細部に至るまで、見て聞く楽しみは尽きることがありません。知覚や価値観を揺さぶられながら、次々と現れる物語の世界をゆっくりとお楽しみください。世界的に高い評価を得ているジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの作品世界を余すこと無く体験できる、絶好の機会となることでしょう。

 

TOP Collection アジェのインスピレーション ひきつがれる精神

ARTLOGUE 編集部2017/11/28(火) - 22:00 に投稿
ウジェーヌ・アジェ《日食の間》 1912 年 ゼラチン・シルバー・プリント

 

写真の歴史に燦然と輝く、 ウジェーヌ・アジェの功績

本展覧会はフランスの写真家、ウジェーヌ・アジェ(1857-1927)が後世の写真表現にどのような影響を 与えたかについて考えます。当館所蔵の作品と写真集などの資料によって、アジェ自身の作品とアジェ以 降の写真家たちの際立った作品を中心に、その輪郭を浮び上がらせようとするものです。 ウジェーヌ・アジェは 19 世紀末から 20 世紀初頭にかけて、パリとその周辺を捉えた写真家です。1898 年、41 歳の時から 30 年間にわたって 8,000 枚以上の写真を撮影し、歴史的建造物や古い街並み、店先や 室内、看板、公園、路上で働く人々など、近代化が進み、消えゆく運命にあった「古きパリ」を体系的に 記録し、図書館や美術館、博物館などの公的機関や画家、建築家等のアーティストたちに販売しました。 その顧客にはレオナール・フジタもいます。

 

ニッポンの写実 そっくりの魔力

ARTLOGUE 編集部2017/11/29(水) - 00:46 に投稿
上田薫 「玉子にスプーンA」 1986(昭和61)年 豊橋市美術博物館蔵

 

何かにそっくりなものを目にしたとき、私たちは「すごい!これ、本物?」と、素朴なおどろきをおぼえます。目に見えるものをあるがままに再現したいという欲望は、私たちの心に深く根ざした、古くて新しい感情なのではないでしょうか。

初期の洋画家たちは、西洋美術の流入を刺激として、再現的描写技法の獲得につとめました。明治の外光派は、自らの感覚に忠実に現実の世界を再現しようとし、続く世代の画家たちは、求道的ともいえる厳しい態度で、対象の本質に迫ろうとする動きも出ました。絵画の表現としての「写実」へのアプローチは異なりますが、感覚に直接はたらきかけるような現実感を求めたという点で、いずれも、「そっくり」であることの魔力に魅入られた画家たちだといえるでしょう。