今年の夏に行われた第25回参議院議員通常選挙時、全ての候補者に「文化芸術マニフェスト」を問うたプロジェクト「ManiA(マニア・Manifest for Arts)」。この取り組みが、日本最大の政策コンテストである第14回マニフェスト大賞にて、応募総数2,619件の中からノミネートされ、特別審査員特別賞(秋吉久美子氏選)を受賞しました。
マニフェスト大賞とは、地方自治体の議会・首長等や地域主権を支える市民等の、優れた活動を募集し、表彰するもの。地方創生の担い手に栄誉を与えてさらなる意欲向上を期するとともに、優れた取り組みが広く知られ互いに競うようにまちづくりを進める「善政競争」の輪を拡げるために設けられました。
現在だけでなく未来に於いても、日本に培われた文化芸術の力が損なわれることなく活かされた心豊かな社会を実現するためには、政治の場で文化芸術がもっとイシューとして取り上げられる必要があります。
この「ManiA」を継続することで、日本で政治家になるには文化政策を考え実行しなければならないという土壌を育むことが出来ると確信しています。
今回の受賞をバネにより大きなムーブメントに展開してまいりますので、引き続きお力添えのほど宜しくお願いいたします。
最後ではありますが、前例のない試みを実現化するために取り組んでくれたスタッフ、応援して下さった皆様、また「特別審査員特別賞」に選んで下さった秋吉久美子氏に共に心から御礼申し上げます。
■「ManiA(マニア・Manifest for Arts)」概要
「ManiA(マニア)」では、今年の夏に行われた第25回参議院議員通常選挙時に、全ての各候補者に文化芸術に対する活動実績やビジョンを「文化芸術マニフェスト」として尋ね、回答をWEBサイトに集約、公開。投開票後も選挙結果や「文化芸術マニフェスト」のその後の実施状況の見える化を図り、サイトを起点に、文化芸術に関する問題意識や課題を共有しディスカッションの出来る場を創出しました。我が国では初の試みながら、370人の候補者の内、148人からご回答いただきました。
URL: https://www.artlogue.org/mania
■プロジェクトの背景
これまでの選挙を振り返って、文化芸術やクリエイティブ産業などが争点になった記憶はありません。それどころか、マニフェストに記載されていたとしてもほんの一文載る程度です。
議会制民主主義国家であるにも関わらず、選挙の争点どころかマニフェストにすら載らないということは、それだけ軽んじられているということではないか。こうした問題意識から、2019年4月7日に投開票が行われた大阪府知事、大阪市長ダブル選挙の際、知事選の候補者である小西禎一氏(元大阪府副知事)、吉村洋文氏(大阪府知事)、大阪市長選の候補者である柳本顕氏(元大阪市議会議員)、松井一郎氏(大阪市長)に文化芸術に対するビジョンを伺いました( https://www.artlogue.org/node/7248 )。
この取り組みに対して想像以上の反響があったこと、中でもSNS上で 「こんなアンケートを望んでいた」、「自分の地域でもやって欲しい」など前向きなご意見が多く、今回のような問いかけを、様々な地域の選挙で投げかけていく必要性をとても感じました。
選挙時に各候補者の文化芸術に対する考えを公にすれば、投票の際の判断材料にもなります。また、候補者が文化芸術マニフェストで有権者と約束をすれば 、それが今後、議会でイシューとして取り上げられると確信しています。
■「ManiA」プロジェクト ご賛同人
青柳正規氏(前文化庁長官、東京大学名誉教授)、淺木正勝氏(全国美術商連合会会長、東京美術倶楽部代表取締役会長)、西川千雅氏(西川流四世家元、日本舞踊家)、愛葉宣明氏(一般社団法人ミス日本酒 代表理事 )、下村今日子氏(アート芸術アドバイザー)、津田大介氏(ジャーナリスト、あいちトリエンナーレ2019芸術監督)、伏谷博之氏(ORIGINAL Inc. 代表取締役 タイムアウト東京代表)、三潴末雄氏(ミヅマアートギャラリー エグゼクティブディレクター)、田中邦裕氏(さくらインターネット株式会社 代表取締役社長)、松山大耕氏(妙心寺退蔵院 副住職)、村上 臣氏(リンクトイン・ジャパン株式会社 日本代表)、是住久美子氏(田原市中央図書館 館長)、岡本 真氏( アカデミック・リソース・ガイド株式会社(ARG) 代表取締役/プロデューサー)他多数