@KCUAについて
京都市立芸術大学では、学内機関として1991年より芸術資料館を開館し、陳列室で所蔵品の展示を行うほか、大小二つの学内ギャラリー、その他の学内施設も活用しながら展示活動を継続しています。これらは作品鑑賞の機会を提供し、また学生たちの日頃の活動成果を公開する実験的発表の場としても機能しています。これらのスペースに加えて、2010年春、京都堀川音楽高等学校の新築移転に伴って、その敷地内南側に建てられたギャラリー棟(堀川御池ギャラリー)内に京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)が開館しました。
「@KCUA」は大学の英語表記 「Kyoto City University of Arts」 の頭文字に場所(サイト)を示す「@」を付けたもので、音読するとラテン語の「アクア=水」となります。生命を養う水のように、芸術が人々の暮らしに浸透し、創造力豊かな社会に貢献するという本学の理念を表現しています。
@KCUAでは当ギャラリー学芸員の企画による特別展のほか、京都市立芸術大学の研究成果発表展ならびに教員・在学生・卒業生による企画展など、年間約20本の展覧会を開催しています。そのほか、国内外で活躍するアーティストを講師に迎えた若手アーティスト対象のワークショップや京都市立芸術大学移転整備プレ事業「still moving」の実施、また2016年より拡張された場におけるアートマネジメント人材育成事業「状況のアーキテクチャー」に参画するなど、展覧会だけにとどまらず、多岐にわたる活動を実施しています。
@KCUAに期待される役割には、以下の3つがあります。
1. 教育・研究成果を広く市民へ公開すること
創立以来130年にわたって本学では、様々な成果を生み蓄積し、大学の内外で公表しています。京都市の中心部に発表の場ができたことによって、より身近な場で市民に公開できる機会が得られることになりました。ここでは在校生、教員および卒業生の研究成果に基づく展覧会、ワークショップ、講演・講座等を市民向けに開催すると共に、京都を中心とする産業界や教育機関、研究機関との連携プロジェクトの成果を発表することが期待されます。
2. 芸術文化創出の人材交流の場とすること
ギャラリーにおける展覧会、ワークショップ、講座等の企画に際し、成果の公表そのものを目的とするだけではなく、学内、同窓会、市民、産業界、教育関係諸機関、研究所などとの連携プロジェクトを通じて、広く人々が交流できる場を形成します。
3. 芸術資源の連携活用のサテライト機能を果たすこと
本学と市民、京都市、産業界、他の諸機関が連携するにしても、基盤となるのは、情報の収集と交換です。京都が有する芸術資源としての人、物、場所、風景や景観、技術、材料、暮しの知恵に関わる情報を収集し、蓄積し、交流させる機関が必要となります。本ギャラリーは、衛星的な位置を利して、情報の収集、蓄積、交換(発信と受信)の一翼を担います。