岡山県備前市伊部地域を中心に作られているやきもの〈備前焼)は、釉薬を施さない土と炎の造形から生まれるシンプルで原始的なやきものとして、古くから日本人に愛されてきました。「窯変」「緋襷」「牡丹餅」「胡麻」など薪窯での焼成から生まれる作品の表情は、他のやきものにはない魅力です。
本展では、桃山時代に茶人・数寄者の間で栄えた古備前の名品から、その古備前に魅せられ作陶に取り組んだ近代の巨匠、また先達から受け継いだ技術を活かしながら多彩な表現により現代備前の可能性を追求する現役作家まで、重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品も交えて総計約150点を展覧します。
関東では触れる機会が希少な備前焼が一堂に会します。日本を代表する焼締陶の魅力をあらためて感じていただければ幸いです。
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