広島出身の小平篤乃生(1979-)は、現在フランス・パリを拠点とし「あらゆるメディアや歴史は緩やかに絶え間なく繋がっている」という考えのもと、五感を喚起させる体感的な場と作品をつくり続けています。青年期から海外で暮らす小平は、特に日本の自然崇拝と地場産業に関心をもち、考古学とは別の視点や解釈からの歴史を提示し、国家が成立する前の人間の営みや自然との共存を探し求めてきました。 近年広島県の宮島と和歌山県の熊野での制作を経験してきたなかで、偶然にも二つの土地をカラスが巡るという伝承を知ります。本展では、このカラスの行動を自然循環の象徴と見立てた新作ヴィデオを中心に、それぞれの土地で制作したオブジェなどによる大規模なインスタレーションで構成します。カラスが巡ることにより、宮島のしゃもじづくり、熊野の煤づくりといった地場産業と山岳信仰との関係性を探り、ひいては私たちのアイデンティティまで巡っていきます。
展示はギャラリー全体を使用し、ヴィデオ、音、写真、オブジェなどを組み合わせたインスタレーションにより、可視化できないエネルギーや歴史を空間全体で体感する構成となります。
●レセプション・パーティー
日時:2018年11月14日(水)14:00〜18:00
作家によるトークも予定しています
参加費:無料(但し要入館券)
※予約不要、どなたさまでも歓迎
開催期間
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上位美術館・ギャラリー
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