「注目作家紹介プログラム チャンネル」は、兵庫県立美術館が2010 年度より毎年度開催してきたシリーズ展です。担当学芸員がいま最も注目すべきと考える作家を個展形式で紹介。美術館を訪れる人と同時代を生きる美術作家が、さまざまな「チャンネル」を通じ出会う機会となることを目指しています。
9 回目となる2018 年度の「チャンネル」では、国内外の映画祭で上演し、多くの賞を受賞するなど、高い評価を得ているアニメーション作家、和田淳(わだ あつし・神戸市在住)の個展を開催します。2002 年頃から短編アニメーションの制作を始めた和田は、人や動物などさまざまなキャラクターが繰り広げる、諧謔と不思議さに満ちた作品を制作してきました。繊細な線描と透明感のある色彩による絵が、見る人の身体的リズムに呼応するかのように動き、「静」と「動」を反復しながら絶妙な「間合い」や「テンポ」によって進行する構成は、「視覚」のみならず「触覚」をくすぐるような感覚を喚起します。加えて意表を突く視点と展開も和田作品の大きな特色であり、それらは作家の鋭い観察眼と洞察によって拓かれた独自の世界といえます。
本展では、和田淳の独創性あふれる映像世界を紹介、近年ますます関心を集め、拡がりを見せる領域であるアニメーションの魅力に迫ります。
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