1200年以上にわたる歴史を通してわが国の文化の中心として発展してきた京都。この地では伝統と革新が溶け合いながら洗練された美術が育まれ、現代に至るまで、傑出した美術家を多数輩出してきました。
大分市出身の日本画家・福田平八郎もこの地で才能を開花させたひとり。写生派や琳派といった伝統を受け継ぎながら、卓越した造形感覚で新たな日本画の世界を切り拓いた京都画壇の巨匠です。
そして、福田の才能に惚れこみ、画業を支援したのが戦前の中国・大連で活躍した臼杵市出身の実業家・首藤 定氏(1890~1959)。《花菖蒲》をはじめとする福田の戦前期の代表作が数多く含まれた「首藤コレクション」は、終戦直後の混乱期に飢えに苦しむ在留邦人を救済するため、食料と引き換えに旧ソ連に渡りましたが、1975年にその中の福田作品42点が日本政府に寄贈され、現在は京都国立近代美術館の所蔵となっています。
本展は、京都国立近代美術館の全面的なご協力のもと、日本画の竹内栖鳳、上村松園、村上華岳、洋画の梅原龍三郎、安井曾太郎、須田国太郎、工芸の富本憲吉、北大路魯山人、河井寛次郎ら京都ゆかりの作家たちの名品とともに、数奇な運命をたどり日本に戻ってきた「首藤コレクション」の福田作品19点を紹介します。古都の伝統と創意が育んだ「日本モダン」の精華を、この機会に心ゆくまでご堪能ください。
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