今から100年ほど前の1920年代に、ようやく一般家庭に普及した電気照明。
はじまりは、1879年、発明家エジソンが改良を重ねた白熱電球の登場でした。ガス灯から電灯への変化にいち早く反応し照明器具を手掛けたドーム兄弟は、この分野で芸術的にも商業的にも成功をおさめ、1900年に開催されたパリ万国博覧会のガラス部門でグランプリを獲得。
アール・ヌーヴォー様式や、アール・デコ様式など、時代の流れに応じた作品を次々と世に送り出しました。
一方ラリックも、ガラス工芸家へ転身した後、照明器具に意欲を燃やしました。間接照明の柔らかな光を活用してモチーフを浮かび上がらせるなど、透明ガラスの魅力を存分に引き出したものづくりに力を注ぎ、1925年の現代産業装飾芸術国際博覧会では、高さ15mにもなるガラスの噴水塔を制作。電気照明と水を効果的に使用した夜のイリュージョンとして観るものを圧倒したのです。
時流を読み、作品やスタイルを変え、常に新しいものを生み出し続けたラリックとドーム兄弟。その柔軟な姿勢と飽くなき探究心に支えられたブランド力は衰えることなく、ラリック社は今年で130年目を、ドームはドームクリスタルとして140年目を迎えます。
本展では、ラリックとドーム兄弟の時代を照らした照明器具の数々をご紹介します。100年にわたって人々の暮らしと心を灯し続けたあかりの競演をどうぞお楽しみください。
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