1948年6月に36歳の若きで亡くなった松本竣介(1912-1948)は、その没後に注目され今日まで高く評価されつづけてきました。2018年は竣介没後70年にあたります。一方、大川美術館の創設者大川栄二(1924-2008)は40年以上にわたり美術品の収集につとめてきましたが、そのきっかけとなったのが松本竣介の作品でした。この画家をめぐる大川自身の積極的な発言と当美術館での活動が、今日のように広く親しまれるようになった松本竣介の評価形成の一面を担ってきたといっても過言ではないでしょう。本展では松本竣介の代表的な作品から絶筆《建物(茶)》までの作品とともに、麻生三郎、鶴岡政男、靉光、難波田龍起、舟越保武ら、竣介のアトリエを訪れ交友した画家たち16人の作品をあわせご覧いただきます。
また本展会期中には、『竣介のアトリエ再見プロジェクト』として、アトリエと同じスペースのなかに、画家が手にしたものを、当時の様子がうかがえるようにレイアウトします。これらのものたちは、画家の没後、ご遺族によって、現在まで大切に保管されてきました。大変な読書家であった竣介は、そのアトリエに書物を置いていました。イーゼル、パレット、本棚、机等、竣介白身がアトリエで使っていたものや、ならべて目にしていたであろう壷や古道具等を展示します。これら、画家の日常のものを再見し、竣介戦後の作品を中心に展観し、画家と作品(創作)との間を結びつけ、創作の内側を考察します。画家がアトリエで過ごした時間に思いをはせていただければ幸いです。
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