昼間には感じないドキドキやワクワク……夜には、いろいろな感覚が研ぎ澄まされます。暗がりの中には、自分しか知らない世界も広がっていることも。そんな夜の魅力を感じさせてくれる絵本の中から秋の夜長にゆっくりと味わって頂きたいものを選びました。
荒井良二・作『きょうというひ』は、“きょうというひ”のために女の子が新しいセーターや、ぼうしとマフラーをあみ、ろうそくを灯す祈りの絵本。今日という日を振り返るようにじっくりと読みたい作品です。
酒井駒子・作『はんなちゃんがめをさましたら』は、夜遅くに目が覚めてしまったちいさな女の子“はんなちゃん”が初めて夜の時間をひとりで過ごす様子を描いています。子どもらしい感覚やしぐさがみごとに表現された1冊です。
みやこしあきこ・作『よるのかえりみち』は、うさぎの男の子が、お母さんに抱っこされて家に帰る道すがらの情景を描いた作品です。男の子のうとうとする目に写るのは、道沿いの家やお店の窓に見える、様々な人の暮らしの中の物語。想像力をかきたてられながら、同時に郷愁も感じて、夜の安らかさを味わえます。
また、新美南吉の名作『てぶくろを買いに』を描いた高野玲子のエッチングもご覧頂きます。
それぞれに繊細に夜の空間を表現した、ぜひ原画でご覧頂きたい絵本作品ばかりです。
【展示作品】※各全点
『きょうというひ』 荒井 良二/作・絵 (BL出版)
『はんなちゃんがめをさましたら』 酒井 駒子/作・絵 (偕成社)
『よるのかえりみち』 みやこし あきこ/作・絵 (偕成社)
『てぶくろを買いに』 新美 南吉/作 高野 玲子/画 (大日本図書)
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