内覧会で自分で書いた「被爆国」の文字を掲げ反核を訴える浅葉克己氏
現在、 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3にて行われている「ヒロシマ・アピールズ展」は、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)とヒロシマ平和創造基金、広島国際文化財団が「原爆の記憶を絶やすことなく、平和を希求する想いを広く伝える」ためにポスターを制作、頒布した「ヒロシマ・アピールズ」の作品を一望する展覧会です。
「ヒロシマ・アピールズ」は毎年一人のグラフィックデザイナーが中立な立場から「ヒロシマの心」を国内外にアピールするポスターをデザインしています。
1983年、第1回目は当時JAGDA会長でもあった亀倉雄策氏(1915年~1997年)による《燃え落ちる蝶》でした。
《燃え落ちる蝶》が発表されると、美しさと品格を備えながら平和・反戦の祈りが強く込められたポスターとして大きな反響を呼びました。
亀倉氏は制作に対して以下のようにコメントしています。
いかなる政治、いかなる思想、いかなる宗教に関係なく、純粋に中立の立場で「ヒロシマ・アピールズ」のポスターを作ることに専念した。しかも今までたくさん作られた、なんとなく反核的とか、平和ポスターといった「型」にはまった表現ではなく、できれば、かつてなかった角度で反核ポスターを作ることを念願した。
その後、毎年JAGDA会員のグラフィックデザイナー1名が選ばれ、1984年 粟津潔氏、1985年 福田繁雄氏、1986年 早川良雄氏、1987年 永井一正氏、1988年 田中一光氏、1989年 勝井三雄氏と続いていましたが、1990年 石岡瑛子氏が目を覆っているミッキーマウスをデザインをしたところ、ディズニーよりクレームがあり中断してしまったようです。
しかし、「ヒロシマ・アピールズ展」は2005年 から復活し、今日まで続いています。最新の2018年は服部一成氏の《疑問符、2018》です。
人類史上、初めて原爆が投下された8月6日に平和について思いを巡らせ、二度と原爆が使用されず、この世から無くなることを願います。
https://www.artlogue.org/event/148/