アートブロガーのSeina Morisakoです。
前回、「アートは育児を救う」を沢山の方に読んでいただけたことうれしく思います。ありがとうございました。
共感していただいた方も多く、「どうしたら子どもがアート好きになるか知りたい!」とか、私たち親子が「幼少期にどのようなアート鑑賞をしてきたかをぜひ知りたい!」というリクエストを多数いただきました。
そこで、もうずいぶん前になりますが私たち親子のアートなお出かけを、この連載で少しづつ振り返っていきたいと思います。
赤ちゃんとのお出かけって大変
赤ちゃんが産まれてすぐのときは、生きていくためのお世話で精一杯ですが、1歳前後になるともう1つ大きな課題がママやパパにのしかかってきます。それは「今、赤ちゃんに何を体験させるか」です。どこへ行ってもどうせ覚えてないでしょう!と思っても、「じゃあテレビばかり見せていいのか」、「グズった時スマホを渡すことは将来影響がないか」と、常に悩んでしまうのが親心というものだと思います。
ネットやテレビなど数々の情報で「赤子時、幼児期の体験は・・・」と情報があふれています。本を読み聞かせましょう、お散歩にいきましょう、などなど。でも正直いって「全部やっていたら私が壊れてしまう!」と思いませんか?
思いますよね。少なくとも、私はそうでした。
特に1歳を過ぎると子供同士のコミュニケーションも始まります。もちろん交流も大事だとわかっているけど、でもこの時期は親同士の交流の始まりでもあるので、それはそれでまた疲れてしまう・・・。
それだけではなく、物理的な問題もあります。1歳過ぎのお子さんとのお出かけは荷物がものすごく多いですよね。もちろん子供は持ってくれないし、いきなり寝たりもするし。持ち物だけではありません。天気や気温など環境は常に変わるので、対応しないといけないですし。
あぁもう思い出しただけでも混乱してきました。
しかし、子供が1歳前後の時、こんな私がお出かけ先として選んだのは「美術館」だったのです。
赤ちゃん連れで美術に行ってわかったこと
「えっ赤ちゃん連れで美術館?とんでもない!」と思う方も多いと思います。確かに、展示室で泣いたらどうしよう。何か触ったらどうしよう。そう考える方も多いと思います。しかし、どうぞご安心ください。実は、美術館で楽しめる場所は「展示室だけではない」のです!
美術館は美術館の中だけではなかった
美術館には、お金を払わなくても楽しめる場所が沢山あるのです!少し大きめの美術館の入口に勇気を出して入ってみてください。そこには各所にフリースペースがあることに気付くはずです。展示室に入るためには展覧会入場券が必要ですが、それ以外の場所は無料で自由に出入りできる場所です。夏でも冬でも気温を気にする必要がない適温に保たれたフリースペースは、赤ちゃん連れで緊張していた私の心をいつもほぐしてくれました。心がほぐれると感性もより豊かになります。それは息子も同じようで、フリースペースに置かれた展覧会のチラシを初めて手に取った時の息子の嬉しそうな顔は忘れられません。美術館のチラシはカラフルで美しく、息子の格好の遊び道具になりました。
美術館のフリースペースは赤ちゃん連れに優しかった
美術館のフリースペースは軽食を食べられる場所などもあり、子供と簡単な食事を楽しむことができます。トイレもとても広く綺麗な場所が多く、場所によっては授乳スペースもあるので安心して出かけられるのです。
息子がぐずったり、泣き出してしまった時にも私は即座にその場を離れることができました。なぜならそこは「フリースペース」だから出入りは自由なのです。
まずは自分が楽しむことから始めてみよう
子供連れで美術館となると親としては「子供に何を見せたらいいのか」など考えてしまうと思います。最初、私もそうでした。悩んだあげく、私は子供のためという考えを捨てて、まず「私が楽しむにはどうしたらいいか」を優先し展覧会を選びました。また、ストレスなく鑑賞できるようになるべく空いている時間帯を狙ったのです。
デザインや現代美術、そして古典でも企画内容に関わらず「連れていく人が楽しければ赤ちゃんも楽しい!」のです。赤ちゃんと美術に触れてみよう!と思ったらまずは「連れていく自分が観たい展覧会」に行くといいと思います。
現在はフリースペースなどでのパブリックアートもすごく増えました。フリースペースはあらゆるニーズに応えるべく様々な設備が整えられていますし、ここはまさに「アートの入り口」です。
是非赤ちゃんと一緒に訪れてみてください。
10年目突入!
子連れアート鑑賞日記