「杉本博司 アートの起源|建築」 CURATORS TV

ARTLOGUE 編集部2012/03/01(木) - 00:00 に投稿
「杉本博司 アートの起源|建築」 CURATORS TV

「杉本博司 アートの起源|建築」のギャラリートーク

スピーカー

中田耕市

会場

丸亀市猪熊弦一郎現代美術館

会期

2011年4月29日~6月12日

展示について

一年間にわたり一人のアーティストを4つの連続する展覧会によって紹介する、他に類を見ない画期的なプロジェクト「杉本博司 アートの起源」。2010年11月よりはじまったこのプロジェクトでは、独自のコンセプトと最高の技術から生み出された美しくも力強い杉本芸術が、科学・建築・歴史・宗教という根源的な4つのテーマから「アートの起源」へと収斂し、その全貌が明らかにされていく。 初回の「科学」に続き第2回展となる本展は、写真を主軸としながらもさまざまな表現に取り組む杉本の活動のうち「建築」をテーマとして取り上げ、敢えて焦点距離を「無限の倍」にずらして撮影した〈建築〉シリーズのほか、インスタレーションや立体作品などによって構成されている。とりわけ当麻寺三重塔の古材と写真作品を用いたインスタレーション《反重力構造》や、建築の起源を炎の記憶にまで遡り、1本の蝋燭の炎が燃え尽きるまでを写し取った写真を蝋燭の灯りのもとで展示する〈陰翳礼賛〉シリーズなど、当館の建築空間を活かして展示される作品は本展の大きな見どころとなった。 杉本がいかに構造や空間を捉え作品へと昇華させてきたのか、本展はその手がかりを提示すると同時に、私たちにアートの起源、ひいては人間の意識の起源としての「建築」を問いかける展示であった。

アーティストについて

杉本博司(すぎもと・ひろし) 1948 東京都に生まれる 1970 立教大学経済学部卒業 1972 ロサンジェルスのアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン卒業 1974 ニューヨーク移住 1988 毎日芸術賞受賞 2001 ハッセルブラッド国際写真賞受賞     2009 高松宮殿下記念世界文化賞受賞 2010 秋の紫綬褒章受章 ニューヨーク在住 〈主な個展〉 1995 「杉本」(メトロポリタン美術館、ニューヨーク/世界巡回) 2000 「杉本 肖像写真」(ドイツ・グッゲンハイム、ベルリン/グッゲンハイム美術館、ビルバオ/ソロモン・R・グッゲンハイム美術館ソーホー、ニューヨーク) 2001 「杉本博司 時の建築」(ブレゲンツ美術館、ブレゲンツ) 2003 「杉本博司 建築」(シカゴ現代美術館、シカゴ) 2004 「杉本博司 大ガラスが与えられたとせよ」(カルティエ現代美術財団、パリ) 2005-07 「杉本博司 時間の終わり」(森美術館、東京/「杉本博司」と題しアメリカ巡回) 2006 「観念の形 数理模型」(アトリエ・ブランクーシ ポンピドー・センター、パリ) 2008-09 「杉本博司 歴史の歴史」(金沢21 世紀美術館、金沢/国立国際美術館、大阪) 2009 「杉本博司-光の自然」(IZU PHOTO MUSEUM、三島) 2010 「杉本博司 アートの起源」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、丸亀) 2012 「杉本博司 ハダカから被服へ」(原美術館、東京) ほかにグループ展多数出品 〈主な所蔵先〉 ニューヨーク近代美術館(MoMA)(ニューヨーク) メトロポリタン美術館(ニューヨーク) グッゲンハイム美術館(ニューヨーク) テートギャラリー(ロンドン) ポンピドー・センター(パリ) 東京国立近代美術館 東京都写真美術館 国立国際美術館 ほか多数 〈主な著作等〉 ・著作 『現な像』(新潮社、2008) 『苔のむすまで』(新潮社、2005) 『空間感』(マガジンハウス、2011) 『アートの起源』(新潮社、2012) ・作品集 『杉本博司-光の自然』(IZU PHOTO MUSEUM、2009) 『歴史の歴史』(新素材研究所、2008) 『HIROSHI SUGIMOTO』(森美術館、2005) 『Hiroshi Sugimoto CONCEPTUAL FORMS』(カルティエ現代美術財団、2004) 『Hiroshi Sugimoto: Architecture』(シカゴ現代美術館、2003) 『HIROSHI SUGIMOTO: ARCHITECTURE OF TIME』(クンストハウス・ブレゲンツ、2002) 『SUGIMOTO PORTRAITS』(グッゲンハイム美術館、2000) 『TIME EXPOSED HIROSHI SUGIMOTO』(クンストハレ・バーゼル、1995)

スピーカーについて

中田耕市(なかた・こういち) 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館/公益財団法人ミモカ美術振興財団 学芸員 1972年徳島市生まれ。岡山大学文学研究科修士課程修了。1999年より丸亀市猪熊弦一郎現代美術館勤務。現在、キュレーターとして現代美術、写真・映像表現を中心とした展覧会の企画運営、および教育普及プログラムの制作に携わっている。主な展覧会企画としては「MIMOCA’S EYE vol.1 野口里佳[予感]」「エルネスト・ネト展」「ノイエ・フォトグラフィー 1920-30年代のドイツ写真」「MIMOCA’S EYE vol.2 小金沢健人展 動物的」などがある。

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