「坂口恭平 新政府 展」 CURATORS TV

ARTLOGUE 編集部2013/06/01(土) - 00:00 に投稿
「坂口恭平 新政府 展」 CURATORS TV

「坂口恭平 新政府 展」のギャラリートーク

スピーカー

和多利浩一

会場

ワタリウム美術館

会期

2012年11月17日[土]- 2013年 2月3日[日]

展示について

坂口恭平は、大学の建築学科3 年の時、隅田川の“鈴木さん”という路上生活者と運命的な出会いをする。“鈴木さん”はブルーシートの上にソーラーパネルを設置して、車のバッテリーですべての電力をまかない、近くの図書館を自分の書斎、公園をリビングルームにしていた。その発想に驚愕した坂口恭平は、路上生活者をインタビューし、観察を始める。以後、不動産は不要だという考えのもと、移動出来る「モバイルハウス」を制作していく。そんな“建てない建築家”坂口恭平を『新政府』樹立に駆り立てたのは、3.11 だった。ヨウ素とセシウムが検出されたにも拘らず、それを国民に告げない今の日本政府は、もはや政府として機能していない、つまり現状は無政府状態として、2011 年5月10 日、新しい政府を設立し初代内閣総理大臣に就任する。まずはじめに生まれ故郷熊本に築80 年の一戸建を有する200 平米の土地を3 万円で借り、首相官邸とし、「ゼロセンター」という名の避難所にした。震災2 ヶ月後から避難 がはじまり、およそ一ヶ月で100 人以上が来た。2011 年の夏には福島からの子ども50人を3 週間、サマーキャンプとして熊本に滞在させた。彼はまた自分の携帯電話の番号をHPやメディアで公開し「いのちの電話」として死に急ぐ人たちと話している。 今回のワタリウム美術館の展覧会は、初公開となるさまざまなオリジナル作品と今回新しく制作する作品を二部構成で展示する。まず過去編( 2012 年11 月17 日[土]- 12 月7日[金])では、これまでに描いたドローイングや写真、映像などを一挙に展示。未来編( 2012 年12 月8 日[土]- 2013 年2 月3 日[日])では、『新政府』とは一体何を意味するのかを探る。新しい貨幣、都市計画など──、『新政府』の構想と活動を紹介。そのプロセスも含め公開する。

アーティストについて

坂口恭平(さかぐちきょうへい) 1978 年、熊本生まれ。2001年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。建築家・作家・絵描き・踊り手・歌い手。2011年5月、新政府を樹立し、初代内閣総理大臣に就任。写真集に『0 円ハウス』、著書に『TOKYO 0円ハウス 0円生活』、『隅田川のエジソン』、『TOKYO 一坪遺産』、『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』、『独立国家のつくりかた』がある。近年、バンクバー、ベルリンなどで個展を開催。2012 年8 月、CD「Practice for a Revolution 」を発売。

スピーカーについて

和多利浩一(わたりこういち) 1960年生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。80年オン・サンデーズ設立、83年美術メディア出版社イッシプレス設立。90年よりワタリウム美術館キュレーターを務め現在に至る。92年ドクメンタ9で日本人として初めて働く。95年第1回ヨハネスブルグ・ビエンナーレの日本代表コミッショナー。「原宿・神宮前まちづくり協議会」を発足させ、その初代代表幹事を務めた。

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