「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」 CURATORS TV

ARTLOGUE 編集部2014/06/01(日) - 00:00 に投稿
「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」 CURATORS TV

「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」のギャラリートーク

スピーカー

安來正博

会場

国立国際美術館

会期

2014年5月27日~9月15日

展示について

このたび、「ノスタルジー&ファンタジー 現代美術の想像力とその源泉」展を開催します。 ノスタルジーとは郷愁のことです。故郷を懐かしんだり、古き良き時代を思い返したりする心情を表します。しかし、心の中の風景は、しばしば異なった記憶へと置き換えられ、夢と現実とが交錯する空想の世界へと飛躍していきます。 この想像力が生み出す世界をファンタジーと呼ぶことができるでしょう。芸術作品の多くをファンタジーの世界と捉えることも可能です。逆に見れば、ファンタジーの源泉のひとつにノスタルジックなイメージがあるともいえるわけです。 本展では、現代アートの重要な創作源として、この二つのキーワードに注目し、さまざまなかたちでこのテーマに取り組む、日本の現代美術家10 組の創作活動を紹介します。 彼らの活動は、過去の記憶に固執する人間の本性に向き合いながら、それを独自のイメージの世界へと昇華させる行為と見ることができるでしょう。 一方で、彼らの作品が見る者を惹きつけるのは、私たち現代を生きる人間の多くが、こうした心情を共有しているからであり、すなわち時代の風潮としての一面でもあると考えられるのではないでしょうか。未知の表現を目指す現代アートと、過去を指向するノスタルジーという心情は、まるで正反対に思われますが、現代という時代性が、この二つを結びつけているように思われます。 本展で紹介する作家たちの個性的な表現活動もまた、一見、脈絡のない個人的領域に属するものに見えますが、ノスタルジーとファンタジーという視点を設定するとき、それらに共通する一つの世界像が見えてくることでしょう。

アーティストについて

03;53 北辻良央 Kitatsuji Yoshihisa 1948 年、大阪府生まれ。 1974 年、多摩美術大学デザイン学科卒業。大学在学中から本格的な制作活動を開始し、1969 年「京都アンデパンダン展」(京都市美術館)等に出品。 コンセプチュアル・アートなど、当時の新しい動向を視野に入れた独自の概念的な作品を発表して注目を集める。 1980 年代以降、鉄や石、木等の素材を駆使した、想像力あふれる作品を生み出す。 国立国際美術館では2000 年に個展「北辻良央 客人の庭」開催。 09;44 柄澤齊 Karasawa Hitoshi 1950 年、栃木県日光市生まれ。 1970 年、版画家・日和崎尊夫の個展で木口木版画と出合う。 1973 年、《盲天使の鏡》で日本版画協会新人賞受賞。 1974 年、創形美術学校研究科版画過程修了。 緻密な表現で幻想的な版画作品を生み出す一方、小説を執筆するなど、文学的才能も発揮する。2000 年前後から、水彩や顔料等を用いた色彩豊かな作品を発表し、その表現方法は広がりを見せる。 2006 年、個展「柄澤齊展」(神奈川県立近代美術館他巡回)開催。 14;25 山本桂輔 Yamamoto Keisuke 1979 年、東京都生まれ。 2001 年に東京造形大学造形学部美術学科彫刻専攻を卒業後、同大学研究生として2003 年まで在籍。 2008 年「VOCA 展」(上野の森美術館、東京)出品。2009 年「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」(原美術館、東京他海外巡回)出展。 木彫の他、絵画にも取り組み、構成的な中に物語性を帯びたファンタジーの世界を出現させる。現在、神奈川県在住。 19;02 小西紀行 Konishi Toshiyuki 1980 年、広島県生まれ。 2007 年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。 2008 年「O コレクションによる空想美術館 magical museum tour 第6 室『赤羽史亮・小西紀行の部屋―new new painting』」出展。 2009 年、「VOCA 展」(上野の森美術館、東京)出品。2012 年、個展「絵画、それを愛と呼ぶことにしよう vol.5 小西紀行」(gallery αM、東京)開催。 一貫して子供や家族のポートレート制作に取り組み、独自の無垢で軽やかな世界を構築する。 現在、広島県の宮島在住。 24;07 橋爪彩 Hashizume Sai 1980 年、東京都生まれ。 2003 年、東京藝術大学美術学部絵画専攻油画科卒業。 2006 年、東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻(油画)修士課程修了。 文化庁芸術家在外研修員としてドイツに滞在。その後パリに滞在。 2006 年「VOCA 展」(上野の森美術館、東京)出品。2013 年「DOMANI・明日展―未来を担う美術家たち<文化庁芸術家在外研修の成果>」展出品。同年、第5回絹谷幸二賞受賞。 しばしば過去の名作を引用しながら、少女たちと彼女にまつわる物を写実的に描き、現実と虚構の狭間を絵にする。 現在、東京都在住。 29;13 小橋陽介 Kobashi Yosuke 1980 年、奈良県生まれ。 2003 年、大阪芸術大学美術学科卒業。 2004 年「神戸アートアニュアル2004」に出品。2006 年、個展「クオテリウム66 小橋陽介展」(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城)出展。同年「VOCA展」(上野の森美術館、東京)出品。2013 年、個展「こばしの図②」(GALLERYMoMo Ryogoku、東京)を開催。 自画像をテーマに絵画制作に取り組み、大胆な画面構成と色遣いが印象的な「セルフ・ポートレート」シリーズは数百点に及ぶ。 現在、東京都在住。 33;40 須藤由希子 Suto Yukiko 1978 年、神奈川県生まれ。 2001 年、多摩美術大学デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。 2005 年「トーキョ-ワンダーウォール公募2005」でトーキョーワンダーウォール賞受賞。 2007 年「project N 須藤由希子」(東京オペラシティ)出展。2008 年「VOCA 展」 (上野の森美術館、東京)出品。2012 年「メグロアドレス―都会に生きる作家―」 (目黒区美術館、東京)出品。 日常的な風景への愛着を鉛筆で丹念に描きながら、幻想的な画面を生み出す。 現在、神奈川県在住。 38;21 棚田康司 Tanada Koji 1968 年、兵庫県明石市生まれ。 1993 年、東京造形大学造形学部美術学科Ⅱ類(彫刻)卒業。 1995 年、東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了(深井隆研究室)。 2001 年には、文化庁芸術家在外研修員としてベルリンに7 ヶ月滞在。 2005 年、第8 回岡本太郎記念現代芸術大賞において特別賞受賞。 2012 年、個展「たちのぼる。」展(練馬区美術館、東京他巡回)を開催。 繊細な揺れる内面性を身体に宿した少年、少女をモチーフにした木彫を制作する。 現在、神奈川県在住。 45;10 横尾忠則 Yokoo Tadanori 1936 年、兵庫県生まれ。 日本デザインセンター等でグラフィックデザイナーとして勤務した後、独立。 1960 年代から大胆な構図と色遣いによるポスター作品で脚光を浴びる。 1972 年ニューヨーク近代美術館、2003 年京都国立近代美術館、2006 年カルティエ現代美術財団(パリ)等、国内外の美術館で個展を開催。ヴェネツィア、パリ、サンパウロ等のビエンナーレに出品。 国立国際美術館では2010 年に個展「横尾忠則全ポスター」開催。 2012 年、神戸に横尾忠則現代美術館開館。 現在、東京都在住。 52;18 淀川テクニック Yodogawa Technique 2003 年に柴田英昭と松永和也が結成したアートユニット。大阪の淀川に落ちているゴミ、漂流物などを拾い集め作品を制作。 2005 年、淀川のゴミを食品トレイにパック詰めした作品《ゴミ淀川産》でキリンアートプロジェクトグランプリ受賞。 2012 年、個展「はやくごみになりたい」(ARTZONE、京都)開催。近年淀川以外にも活動の地を広げ、国内外でゴミを用いたプロジェクトを展開。 柴田英昭:1976 年、岡山県生まれ。1998 年、大阪文化服装学院卒業。 松永和也:1977 年、熊本県生まれ。1998 年、大阪文化服装学院卒業。2012 年には文化庁新進芸術家派遣制度によりサンフランシスコへ1 年間留学。

スピーカーについて

安來正博 1962年島根県生まれ。1988年関西学院大学文学研究科修士課程修了。1989年和歌山県立近代美術館学芸員。2000年国立国際美術館主任研究員となり今日にいたる。主な企画展に「アメリカの中の日本 石垣栄太郎と戦前の渡米画家たち」(97年)、「デモクラート1951-1957 開放された戦後美術」(99年)、「大地の芸術 クレイワーク新世紀」(03年)、「アジアとヨーロッパの肖像」(08年)、「横尾忠則全ポスター」(10年)、「草間彌生 永遠の永遠の永遠」(12年)など。著書に「関西現代版画史」(07年 美学出版)など。現在、大阪芸術大学、関西学院大学非常勤講師。

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