特別展 画僧 月僊

ARTLOGUE 編集部2018/09/08(土) - 02:30 に投稿

江戸時代も中ごろを過ぎると、新来の中国や西洋の文化に刺激を受け、多くの画家が新しい様式に挑戦し、魅力的な作品を生み出していきました。名古屋生まれの画僧(絵を描く僧侶のこと)、月僊(げっせん、1741-1809)もその一人で、江戸と京都で流行の様式を学びながら、独自の画風を確立、伊勢・京都を中心に全国で人気を博しました。

月僊は、名古屋の味噌商の家に生まれ、七歳で仏門に入り、浄土宗の僧となります。江戸の増上寺にて修業、かたわら桜井雪館(さくらいせっかん、1715-90)に絵を学びました。のちに上洛、知恩院門主の知遇を受け、画家としては円山応挙(まるやまおうきょ、1733-95)の影響を受けます。安永3年(1774)、伊勢山田にある寂照寺の住職となった後は、絵を売って蓄えた財を元手に、寺の再興に努め、貧民救済にも尽力しました。今回の展覧会では、愛嬌に満ちたユニークな仙人の絵を中心に、仏画や花鳥画、山水画もあわせて画業全体を振り返ります。また僧侶として社会福祉に尽くしたその人となりを紹介します。

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